6月9日(土)~10日(日)八ヶ岳:赤岳(2899m)・阿弥陀岳(2805m)所属山岳会主催の登山学校月例山行で、八ヶ岳へ1泊テント山行に行く。

6月9日(土)
【天気】 晴れ
【コースタイム】赤岳山荘駐車場(9:45)~美濃戸山荘(9:50)~行者小屋(12:20)(テント設営)
行者小屋(13:40)~中岳との鞍部(14:30/14:35)~阿弥陀岳(15:20/15:38)~中岳との鞍部(16:07)~行者小屋(16:55)
今回の山行は「初めてのテント山行」と題し、八ヶ岳の行者小屋にテントを張り、付近の赤岳や阿弥陀岳に登る計画である。
台風5号が南岸沿いに接近しており天気が心配されたが、何とか持ちそうな予報を信頼し、予定通り実施する。
受講生6名、指導員2名の参加で、朝6時半に集合し、2台の車に分乗して出発する。
中央道を走り、諏訪南ICを出て、美濃戸口へ向かう。
諏訪湖のあたりからは八ヶ岳連峰がよく見え、まずまずの天気である。
午前9時過ぎ美濃戸口へ着く。
林道が通行止めになっていないので、さらに奥の美濃戸まで車で入ることにする。
四駆の車で路面の悪い林道を美濃戸まで走る。
午前9時半ごろ美濃戸に着き、何とか赤岳山荘の駐車場に止めることが出来る。
土曜日のためすでにほとんど満車状態である。

準備をして、9:45、行者小屋に向けて出発する。
テントや食料などを分担して担ぎ、平均12~15㎏の荷物が重い。

美濃戸山荘から南沢に沿った道をゆるやかに登っていく。

初めて重い荷物を担ぐ方もおり、ゆっくりしたペースで行く。
2時間ほど歩き、やっと眼前に横岳の大同心、小同心の岩峰が見えてくる。

2時間半以上かかり、12:20、行者小屋に着く。

心配していたテント場は思っていたよりは混んでいない。
早速受付を済ませ、丁度いい場所を見つけてテント2張りとツエルトを張る。
明日赤岳、阿弥陀岳に登る予定でいたが、時間もまだ早く、明日は天気が悪くなる予想なので、今日中に阿弥陀岳へ登ることにする。
簡単に昼食を済ませ、13:40、阿弥陀岳へ向けて出発する。

赤岳への文三郎道を分け、右手の阿弥陀岳への道を行く。
樹林帯を抜けると、鋭くそびえる阿弥陀岳が見えてくる。

50分ほどで阿弥陀岳と中岳の鞍部に出る。
北東に横岳から硫黄岳の稜線が望まれ、眼下の森の中には行者小屋が見えている。


鞍部からは阿弥陀岳を目指し急峻な岩尾根の道を登っていく。

途中で振り返れば赤岳山頂に立つ人がみえるように近い。

急登を過ぎ、15:20、誰もいない阿弥陀岳山頂に立つ。

360度の展望が広がり、眼前には赤岳がその名の通り赤い岩肌で大きく立ちはだかっている。

近くに聳える権現岳も立派である。(手間に見えるのが3月に3名がなくなるという事故が起きた阿弥陀南陵である)

残念ながら富士山は雲の中で見ることが出来ない。
充分に眺望を堪能した後下山にかかる。
急峻な岩場を落石に注意しながら鞍部まで下る。

横岳を見ながら下っていく。

午後5時前に行者小屋へと下り着く。
午後5時過ぎ小屋前のベンチで夕食の準備をしながら夕日に輝く大同心、小同心を振り仰ぐ。

ハンバーグをメインディッシュとした夕食を食べ、のどを潤しながらゆったりとした時間を過ごす。

暗くなり始めた午後7時、テントに潜り込み就寝する。
トイレのため夜中にテントの外に出ると、空にはたくさん星が輝き、横岳の稜線もくっきりと見える。
明日も何とか雨が降らないように期待しながら再び就寝する。
6月10日(日)
【天気】 晴れのち曇り
【コースタイム】行者小屋(5:30)~地蔵の頭(6:40)~赤岳(7:35/7:40)~文三郎尾根分岐(8:08)~行者小屋(8:55)(テント撤収)
行者小屋(9:32)~赤岳山荘駐車場(11:45)
朝4時前に起きてテントの外に出ると今日もまだ晴れている。
横岳の稜線の上に三日月が出ている。

朝食を食べていると、朝陽が当たり阿弥陀岳山頂が赤く輝き始める。

午前5時前、リゾッタの朝食を食べる。

食事後準備をし、5:30、赤岳に向けて出発する。

梯子などがかかる急峻な地蔵尾根を登る。

樹林帯が切れ、振り返ると北アルプスの槍穂高連峰や乗鞍岳が雲海の上に浮かんでいる。


昨日登った阿弥陀岳にも陽が当たりクッキリと見える。

稜線直下の最後の岩場の梯子を登る。
6:40、稜線上に地蔵様の祀られた「地蔵の頭」に着く。

右に折れてガスが湧き始めた赤岳山頂を目指す。
5分ほど行った赤岳天望荘横で風邪を避けて休憩する。
休憩後、赤岳の急斜面を登っていくと、小さな紫色の花が咲いている。

急斜面を登りきると赤岳山頂に立つ頂上小屋が見えてくる。

小屋前を過ぎ、7:35、赤岳山頂に立つ。

朝早くには富士山も見えていたらしいが、残念ながら今は雲が湧き始め雲の中である。
南アルプスの甲斐駒ヶ岳方面が少し見えている。

山頂を後に文三郎尾根への道を下山にかかる。
クサリの付いた岩場の道を下っていく。

阿弥陀岳を正面に30分ほど下り、文三郎尾根分岐に出て右折れする。

急な階段の続く道を下に見える行者小屋を目指して下っていく。

横に中岳や阿弥陀岳の荒々しい斜面が見える。

8:55、行者小屋に下り、テントを撤収する。
9:30、行者小屋を後に南沢の道を下山する。
途中イワカガミの群落を見ながら下る。

11:45、赤岳山荘駐車場に下り着く。
帰りの支度をしていると、待っていたかのように小雨がぱらつきだす。
車で美濃戸口まで下り、原村の「もみの湯」で2日間の汗を流す。
中央道を走り、午後4時過ぎ名古屋へ帰り解散する。
今回は「初めてのテント山行」ということで、ほとんどの方が初めてテント生活を体験された。
テント設営や食事の準備などを全員で協力して行うことの大切さを体験できたと思う。
テントや食料など10㎏を越える荷物を担いで登ることの大変さも身をもって体験できた。
天気が悪くなることを覚悟して出掛けた山行であったが、2日間とも奇跡的にいい天気に恵まれた山行であった。
受講生の皆さん、登山学校で1年間いろいろな山の体験をされ、山の楽しさ、苦しさを学ばれたことと思う。
ここで学ばれたことを基礎として、安全登山には十分注意し、更に山の楽しさの範囲を広げていってほしいと願っている。
山遊人
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