2009.09/10 [Thu]
好天に恵まれた初秋の中央アルプス4山縦走
9月9日(水)~10日(木)
9月に入り秋めく日も多くなり、朝晩はめっきり涼しくなってなってきた。
所属する山の会の月例山行で、避難小屋を使用した中央アルプス北部の檜尾岳から空木岳までの1泊2日の山行に参加する。
マイクロバスを使用したリーダーを含み13人の参加での山行である。
秋の移動性高気圧に覆われて、天候は良くなりそうな予想である。
コースタイム
9月9日(水)
千畳敷10:48 → 11:23極楽平11:35 → 12:39濁沢大峰12:45 → 15:50檜尾岳 → 16:05檜尾避難小屋
9月10日(木)
避難小屋5:18 → 5:35檜尾岳 → 7:25熊沢岳 → 9:25東川岳 → 9:55木曽殿越10:00 → 11:45空木岳12:00 → 駒峰ヒュッテ → 駒石 → 小地獄 → 大地獄 → 15:40池山小屋 → 17:45駒ヶ根スキー場
9月9日(水) 千畳敷~檜尾避難小屋
朝7時30分高蔵寺駅からマイクロバスに乗り、中央道を走り、9時半に木曽駒高原のバス停に到着する。
バスとロープウェーを乗りついて、10時30分一気に2600mの千畳敷に到着である。
下の方ではガスが出て視界がきかなかったが、千畳敷まで上がるとガスは途切れ、カールや宝剣岳が良く見渡せる。

避難小屋泊まりであり、稜線上は水が少ないということで、荷物が10㎏を超え、皆が重たそうである。
入念に準備運動をして、10:48に出発する。
30分ほどの登りで稜線上の極楽平に出る。
前には島田娘(2858m)、右手には三沢岳(2847m)が聳えている。
稜線上はやや風が強く、時々ガスがかかったりするが、まあまあの天気の中檜尾岳に向けて尾根道を辿る。

島田娘を過ぎ、濁沢大峰を越えて、一旦下ると行手に檜尾岳(2728m)が見えてくる。
山頂から左に少し下がったところに檜尾避難小屋が小さく見える。

鞍部から登り返すと、檜尾岳の山頂である。

山頂はややガスがかかり、空木岳方面は見ることができない。
左手足元の檜尾尾根上には、今日の宿泊地である檜尾岳避難小屋のかまぼこ型の赤い屋根をハイマツの中に見下ろすことができる。

午後4時ごろ避難小屋に到着する。

小屋にはすでに2人の先客がおり、我々13人が入るとほぼ満杯の状態である。
小屋前でさっそく夕食の準備に取りかかる頃からガスが切れだし、夕日もさし始める。
目の前には谷を隔てて、空木岳の雄姿が姿を現わす。

東には伊奈谷を隔てて南アルプスがよく見えるようになり、塩見岳の肩越しに富士山が頭を覗かせている。

暮れなずむ周りの展望を楽しみながら夕食を摂ったり、喉を潤したりして日没まで憩いのひとときを過ごす。
日没間近、沈む夕日を見に行こうと稜線まで上がってみる。
ちょうど三沢岳や御岳をシルエットに西の空の雲海のかなたに真っ赤に染まる夕日が静かに沈み、今日一日の終わりである。

小屋の中は御座も敷かれており、寝袋やマットも少し備えてあり、避難小屋としては快適である。
わりと清潔なトイレも外に設置されている。
8時頃まで皆で山談議などで歓談したあと、就寝に就く。
夜中にトイレに起きると、空には一点の雲もなく、眼下の伊那谷の街の明かりがとてもきれいである。
トイレの前の手洗い水場には氷が張っており、山の上はすでに氷点下である。
月が明るくて★は多くは見えなかったが、明日の晴天は約束される。
9月9日(木) 檜尾岳~熊沢岳~東川岳~空木岳~駒ヶ根スキー場
朝3時半に起き、小屋の中で朝食を食べ、5時18分に出発する。
夜はまだ完全には明けきらず、薄明りの中を檜尾岳に登る。
しばらく待っていると東の空が白み始め、宿泊した避難小屋をシルエットにして、黄金色の太陽が南アルプス鋸岳の肩越しに顔をのぞかせる。

予想通り今日は一点の雲もない晴天で、どちらを向いても山々がくっきりとそびえている。
眼下には伊那谷が朝の光に霞み、今日は南アルプス越しの富士山もハッキリと見える。

本日は熊沢岳、東川岳を越えて、空木岳を目指し、そこから一気に木曽駒高原まで2000m近くを下るという長丁場である。
気合いを入れ、行手の熊沢岳を目指して歩き始める。

アップダウンを繰り返し、熊沢岳を過ぎ、東川岳までほぼ4時間かかって到着する。
眼前には空木岳が大迫力で迫ってくる。

東川岳からは木曽殿越に向けて大下りである。
下る途中下に木曽殿山荘の小屋を見下ろすことができる。

10:00小屋で水を補充し、いよいよ空木岳まで400mのこのコース最大の登りにかかる。
上に行くにつれ花崗岩帯の登りで、ハシゴや鎖場が多くなり、そこを越すのに時間を要する。
最後の登りで10:45やっと山頂に到着する。

山頂では素晴らしい展望が待っている。
南には南駒ヶ岳聳え、西には御岳も大きなすそ野を引いて浮かんでいる。
北には昨日から辿ってきた木曽駒ケ岳からの稜線が続いている。

眼下にはこれから辿る池山尾根上の駒峰ヒュッテから駒石を見下ろすことができる。

しばらく展望を楽しんだ後、12:00下山にかかる。
ここからは5時間以上はかかる2000m近い池山尾根の下りが待っている。
尾根を少し下り駒峰ヒュッテを通り、大きな花崗岩の駒石を通る。
駒石越しに北に宝剣岳方面が望まれる。

空木平からの道と合流し、ハイマツ帯からダケカンバの樹林帯に入る。
途中小地獄、大地獄という痩せ尾根帯を注意して通過し、ひたすら池山小屋に向けて下る。
15:40やっと池山小屋の水場に到着し、のどをうるおすことが出来る。
本来ならここから1時間ほどの林道終点の駐車場でバスが待っているはずであった。
しかし、林道途中が崩壊の危険のため通行止めになっており、更に1時間半かけて木曽駒高原スキー場まで下る。
薄暗くなりかけた17:45に、6時間近くかけてやっとバスが待っているスキー場に到着である。
膝や足がガクガクになったが、一人の落後者もなく全員よく頑張り無事下山することができる。
近くのこまくさの湯で汗を流し、中央道を走り、午後9時半高蔵寺駅に到着する。
中央アルプスの木曽駒ヶ岳から空木岳への縦走は、アップダウンが多く面白いのであるが、途中宿泊するところが少ないので、最近は行っていなかった。
今回避難小屋を利用した縦走ということで面白そうだったので参加した。
幸いにも2日間とも天候に恵まれ、とても楽しい山行ができた。
1日目の避難小屋生活の体験や、2日目の稜線歩きも含めて12時間以上にも及ぶ行程、また、1日に2000m近くも下るという山行は、この年になって出来るか少し心配であったが、何とかパーティーと一緒に行動することができ大きな自信になった。
また、リーダーやアドバイザーからいろいろ教わることも多く、大変勉強になる山行であった。
これからも特に中央アルプスや南アルプスの山行には避難小屋を利用するということも考えて計画を立ててみたい。
山遊人
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