8月4日(木)地蔵岳(2764m)~観音岳(2841m)~薬師岳(2780m)今日はいよいよ鳳凰小屋から鳳凰三山縦走をする日である。
【コースタイム】鳳凰小屋(6:00)~地蔵岳(7:20/25)~観音岳(9:15/25)~薬師岳(10:00/20)~御座石(11:10/20)~中道登山口(14:05/10)~青木鉱泉(15:05)
【天気】 曇り時々晴れ、通り雨

朝5時前に目が覚めると、外は晴れている。
午前5時半に小屋の朝食を食べる。
小屋の方の話では、今日は東方地方にかかっている前線が徐々に南下してくるが、午前中は何とか天気は持つという話である。
準備をして、6:00、小屋を出発し、地蔵岳に向けて登り始める。

樹林帯の中の道を徐々に登っていく。

40分ほど登ると樹林帯が切れ、「賽の河原」という花崗岩のザレ場の下で少し休憩する。
頭上には地蔵岳オベリスクが見え隠れする。

賽の河原をジグザグに上がり、出発して1時間ほどで稜線に出る。
ちょうどそのころより雨が降り出し、雨具を着る。

そこに荷物を置いて右手に7,8分登り、オベリスク下の「地蔵岳」標高点まで行く。

西側を覗いてみるもガスで何も見えない。
荷物を置いたところに戻り、稜線上の道を南下して観音岳を目指す。
赤抜沢ノ頭を越えると、目指す観音岳が頭上に聳えている。

振り返ればオベリスクが大きく聳え立っている。

岩稜帯を歩いていくと、ガスが徐々に切れ出し、右手に北岳方面が見えてくる。

観音岳手前の鞍部で少し休憩する。

後ろには歩いてきた地蔵岳から続く岩尾根が見える。

地蔵岳から1時間ほど歩き、9:15、今日の最高峰「観音岳」山頂に立つ。

この辺りの稜線上には、南アルプス固有のタカネビランジの花が多い。
ピンクの小さな花が岩陰に点々と咲いている。

花を楽しみながら下り気味に歩いていき、9:53、薬師岳山頂に着く。
残念ながら待望の富士山は雲に隠れて見えない。

山頂から少し行った最高点の岩陰で昼食を食べて休憩する。
休憩後、11:20、いよいよ長い中道の下りにかかる。

すぐに樹林帯に入り、急な坂を下っていく。
50分ほど下り、「御座石」という大きな岩の下で少し休憩する。

御座石から更に急になる樹林帯を下り、カラマツの林を抜けて、13:25、林道跡出合に出る。
ここまで1200m近くを下り、全員足がもうヘロヘロである。
休憩後、さらに350mほど下り、14:05、やっと青木鉱泉から続く林道に出る。

小武川に沿った林道を1時間ほど下り、15:05、ようやく青木鉱泉の駐車場に戻ってくる。
小屋を出てから9時間以上、薬師岳山頂から標高差約1700mの激下りであった。
車に乗り込み帰途に着く。
途中の武川温泉で3日間の汗を流す。
入浴後、須玉ICから中央道を走り、途中の諏訪湖SAで夕食を食べる。
夕食後、再び中央道を走り、午後9時過ぎ名古屋に着き解散する。
今回の鳳凰三山山行は、梅雨は明けたのに天候が安定しない中、天気を心配しながらの山行であった。
しかし、現地に行ってみると、一日目、二日目は、雨の心配は全くない絶好の登山日和であった。
三日目は、地蔵岳の稜線に着いた時だけ驟雨にたたられたが、それもすぐに止んで、稜線歩きを楽しめた。
参加された皆さん、標高差1700m近くの長い登り下りにも耐え、待望の鳳凰三山の頂を踏むことが出来た。
途中ですれ違う登山者も少なく、中道に下山では他の誰とも会うこともない静かな山行であった。
下山してニュースを見ると、東北や北陸の各地では集中豪雨で大きな被害が出ていた。
まさに我々が登っているときだけ、現地の天気の女神が微笑んでくれた幸運に恵まれた山行であった。
山遊人