2022年1月4日(火)静岡県掛川市:粟ヶ岳(532m)元旦恒例となっている富士山を仰ぎ見る山行に都合で出かけることが出来なかった。
今日はやや冬型が緩み天気が良さそうなので、急遽仲間と一緒に富士山が見える山に出かけることにする。
山頂からの富士山の眺望がいいと言われている静岡県の掛川市にある「粟ヶ岳」へ山行する。

【1/25000 地形図】八高山
【コースタイム】新東名掛川PA(4:35)~松葉の滝登山口(5:25/33)~粟ヶ岳山頂(6:11)~展望テラス(6:18/7:15)~榎辻(8:00)~倉真温泉バス停(8:32)~新東名掛川PA(9:03)
【天気】 晴れ

粟ヶ岳は、山頂直下まで車でも行くことが出来る山であるが、下から歩いて登ることにする。
山頂からの日の出を見ようと、夜中の3時に出発する。
新東名道を走り、掛川PAに4時20分ごろに着く。
掛川PAは「ぷらっとパーク」といって、歩いて外へ出ることが出来るパーキングである。
準備をして、4:35、真っ暗な中ヘッドランプを点けて外部への出入口からパーキングの外へ出る。
高速道路をくぐり、松葉の滝への車道を左折れする。
緩やかに車道を登って、松葉の滝駐車場を通り、5:25、粟ヶ岳への登山口に着き少し休憩する。

「里山トレッキングコース」と書かれた沢沿いの道を少し登り、尾根上に出ると道は急坂になる。
ほぼ一直線につけられた200mほどの急登となる。
山頂が近づくにつれ風が強くなり、途中で寒いので防寒着を羽織る。
6:11、まだ夜が明けやらない中、粟ヶ岳山頂(最高点)に着くが、林の中で眺望はまったくない。
山頂には沢山の電波塔が建っている。

山頂から少し下り、6:18、「茶草場テラス」と名付けられた眺望のいい展望台に着く。
テラスからは富士山や駿河湾、伊豆半島などが一望できる。

車で上って来た数人が日の出を待っている。
夜明けまでまだ30分近くあるが、東の空には富士山が薄っすらと見えている。

少し待っていると、南東の島田市や藤枝市方面の町の明かりが見え、東の空が赤く燃え始める。

テラス上の屋根のあるベンチで、暖かい飲み物を飲みながら日の出を待つ。
午前7時前に伊豆半島の上あたりから太陽が顔を覗かせ始める。

5,6分かけて、周囲を真っ赤に染めながら太陽が上がってくる。

富士山にも太陽が当たり始め、頂上付近の雪の肌がピンク色に染まってくる。

テラスにいる人たちは盛んにシャッターを切っている。

テラスに1時間近くもおり、日の出と富士山の眺望を堪能した後、7:15、下山にかかる。
山頂直下には粟ヶ岳山頂の名物である今年の干支のトラが、ススキを乾燥させた藁で作られている。
2月ごろまでは飾られているそうである。

8mもある大きな「トラ」のオブジェが飾られいる。

天平時代の創建といわれる阿波々(あばば)神社にお詣りした後、再び山頂へ行く。

粟ヶ岳最高点の山頂。

近くには「遠州七不思議」といわれる「無限の井戸」がある。
昔、その鐘を突くと長者になれるという「無間の鐘」が山頂にあった。
大勢が押し寄せ、死ぬ人も出る騒ぎになったので、住職は鐘をこの井戸に投げ込んでしまったという言い伝えがある。

山頂から少し下がった所にある見通しのいい「南平広場」を通り、茶畑の中をジグザグに下っていく。
林道に出て20分ほど下り、榎辻という広場から倉真(くらみ)温泉へと下る「尾根道コース」の登山道をいく。
途中「見晴らしの丘」と名付けられた展望地を通る。

緩やかに尾根道を下っていく。

榎辻から30分ほど下り、橋を渡って倉真温泉のバス停に出る。
ここの駐車場の前に案内板がある。

右に折れて車道を歩き、登るときに通った松葉の滝への道に出る。
少し道を間違えて「百観音」の方へ行ってしまったが、途中で引き返し、9:03、車を止めた新東名掛川PAに戻る。
PA近くから振り仰ぐと登って来た粟ヶ岳が青空に聳えているのが見える。

PA内のイートスペースで朝食を食べた後、新東名道を走り、午前11時過ぎ名古屋へ戻ってくる。
今年初めての山行であったが、朝日に輝く富士山の雄姿を見ることが出来た山行であった。
粟ヶ岳は、標高は500mほどしかない里山であるが、牧ノ原台地の中心に聳えているため、富士山の眺望を楽しむには絶好のロケーションの山である。
車でも簡単に登ることが出来るが、今回は下から歩いて登り、新年最初の山を楽しむことが出来た山行であった。
山遊人