2021年7月9日(金)八甲田山(大岳)(1584.5m)山行最終日の今日は、青森市の南にある「八甲田山」に登る予定である。
八甲田山は、最高峰の大岳を主峰とする18の山々からなる複式火山の総称である。
1902年1月に青森の陸軍第8師団歩兵第5連隊が、ロシアとの戦争に備えた雪中行軍訓練の途中で、参加者210名中199名が死亡するという登山史上世界最大級の山岳遭難事故が起きたことで有名な山である。

【天気】 晴れ時々ガスかかる
【コースタイム】酸ヶ湯温泉(7:37)~登山口(7:42)~地獄湯ノ沢出合(8:53)~仙人岱(9:21/9:26)~八甲田山(大岳)(10:10/10:30)~大岳ヒュッテ(10:48:11:00)~上毛無岱休憩所(11:36/11:46)~下毛無岱休憩所(12:00)~酸ヶ湯温泉(12:41)
朝起きると青空も覗いておりいい天気になりそうである。
朝食を済ませ、7:37、八甲田山に向けて酸ヶ湯温泉を出発する。

5分ほどで登山口に着き、八甲田山神社の鳥居をくぐり登山道に入る。

最初はゆるやかな樹林帯の中の道を徐々に登っていく。
登山口から1時間10分ほどで、地獄湯ノ沢の源頭に出る。
このあたりは沢の中から温泉が出ているのか、地面が赤茶けている。

対岸へ橋を渡り、徐々に急になる石のゴロゴロする道を登っていく。
沢を登り切ると緩やかな道になり、登山道の周囲にはすでに綿毛になったチングルマやキンポウゲなどのお花が現れ始める。


9:21、仙人岱の湿原の少し先にある小岳への分岐で休憩する。(岱とは山の上にある湿原の意味)
さらに登るにつれガスがかかり始め、ガスの中からチングルマの群落がかすかに見えている。

残雪も現れ始める。

ハクサンチドリの花もたくさん咲いている。

小さな桜沼を過ぎたあたりから道は急になってくる。
急な岩場の道をジグザグに150mほど登っていくと、右手に、水中に水草がユラユラゆれる鏡沼が現れる。

山頂直下にはミヤマオダマキの花も咲いている。

鏡沼を過ぎると間もなく、10:10、八甲田山の最高峰、大岳山頂に着く。

一等三角点の山頂で休憩をしていると、徐々にガスが切れ始め周囲の景色が見えてくる。
眼下には八甲田ロープウェイの山頂駅やその先には青森湾も見え始める。

山頂で少し休んだ後、毛無岱方面へ下山にかかる。
益々ガスが晴れ青空も見えてくる。
眼下に青森湾を見ながら快調に下っていく。

途中ではこれから下る毛無岱の大きな湿原も見下ろされる。

途中の雪田を滑らないよう注意しながら下る。

10:48、トイレも設置されている避難小屋の大岳ヒュッテに着く。

右手に井戸岳や大倉岳への道を分け、左手の道を下っていく。
樹林帯の道を250mほど下り、右手にロープウェイ山頂駅方面への道を分けると間もなく木道の敷かれた上毛無岱に出る。
道の両側にワタスゲの白い花が揺れる気持ちのいい道を行く。

間もなく上毛無岱の休憩所が左手に現れる。

振り返ると、登ってきた大岳方面が見える。

あたりには池塘も点在している。

少し休憩した後、ワタスゲやチングルマが風に揺れる中を歩いていく。

少し先で急な階段を下毛無岱に向けて50mほど下っていく。

下毛無岱に下り立つと、青空を映して美しい池塘が現れる。

シャクナゲの花が多い中を歩いていく。

下毛無岱の休憩所を過ぎると道は樹林帯になる。
樹林帯の中の道を30分ほど歩き、急坂を下っていくと、眼下に酸ヶ湯温泉が見えてくる。

12:41、酸ヶ湯温泉前へと下り立つ。
温泉に隣接する食堂で蕎麦などを食べて一服する。
昼食後、宿で温泉に入れてもらって汗を流す。
午後2時ごろ、お世話になった温泉を後にする。

R103を北に下って青森市内へ出る。
飛行機の出発まで時間があるので、この度世界文化遺産に登録されることが決まった「三内丸山遺跡」へ立ち寄る。
青森自動車道に沿って西進し、午後3時前に三内丸山遺跡に着く。

ちょうどボランティアのガイドによる案内が始まる時間だったので、説明を聞きながら遺跡内を廻る。
現代から5000年ほど前の縄文時代の竪穴建物跡や掘立柱建物跡を中心とした遺跡群が点在している。

有名な掘立柱建物は、シンボル的な建物ではなかったかと推測されているらしい。

1時間以上かけて案内をしてもらい、遺跡の詳細を知ることが出来た。
午後5時ごろ遺跡を後に空港へと戻り、19:20発の名古屋空港行きの飛行機に乗る。
約1時間10分のフライトで、20:40過ぎ名古屋空港へ着く。
4日間の山行を無事終えて、空港で解散する。
今回の青森山行は、全国的にはまだコロナ感染が充分には収束していない状況の中で実施した山行であった。
しかし、ワクチン接種も徐々に進み、我々の中でも半数以上の方は2回の接種を終えていた。
そんな状況も勘案して、コロナ感染防止には最大限の注意を払いつつ出かけることにした。
宿泊地も、食事の時などには感染防止対策を施しており、安心できる対応であった。
山行の途中も、思っていたよりも登山者は少なく、三つの山とも山頂で密になるようなことはなかった。
全国的に梅雨末期の長雨が続いている中、青森地方では比較的雨が少なく幸いであった。
最初の岩木山では少し雨に降られたが、あとの白神岳、八甲田山では降られることもなく、晴れ間も見られるほどの天気であった。
三山ともそれぞれに特徴のある魅力的な山で、4日間の楽しい山行を終えることが出来た。
山遊人