8月2日(日)~4日(火)北アルプス:北穂高岳(3106m)・涸沢岳(3103m)・奥穂高岳(3190m)・前穂高岳(3090m)登山教室の生徒さん3名と今年の夏のメイン山行である穂高連峰の縦走山行に行く。
今までのトレーニングの成果が期待される山行である。

8月2日(日)上高地~横尾~涸沢
【天気】 晴れ
【コースタイム】上高地(9:05)→徳沢(10:35/10:50)→横尾(11:40/12:00)→本谷橋(13:05)→涸沢ヒュッテ(15:00)
太平洋高気圧が張り出し当分夏の暑い天気が続きそうである。
朝6時過ぎに名古屋を出発し、東海北陸道を走り、高山を経由して平湯のアカンダナ駐車場へ午前8時半前に着く。
バスで上高地まで行く予定であったが、安く乗せてくれるということでタクシーに乗る。
おかげで予定より早く午前9時前に上高地バスセンターへ着く。
9:05、準備をして出発する。
河童橋から振り仰ぐ穂高連峰が青空にくっくりと見渡せる。
一気に徳沢まで歩き、10:35、観光客や登山者で賑わう徳沢園前に着く。
名物のソフトクリークを食べて休憩する。
休憩後、さらに単調な道をを歩き、11:40、横尾へ着く。
ここで昼食を食べて休憩する。
12:00、横尾大橋を渡り涸沢を目指す。
横尾本谷に沿って屏風岩の大岸壁を左手に見ながら登る。
緩やかに登って行き、13:05、本谷橋を渡る。
ここから急になる道を登り、涸沢と出会うと、先に涸沢カールが見えてくる。
残雪の雪渓を渡り、15:00、ヒュッテの屋根が見えてくるとしばらくで涸沢ヒュッテに着く。
部屋に荷物を置き、早速外のテラスに出て乾いたノドを潤す。

素晴らしい晴天で、涸沢カールを囲んで、北穂、奥穂、前穂が一望である。
涸沢のテント村にはカラフルなテントが張られている。
今年はやや残雪が多いように感じられる。

夕方外に出てみると、穂高連峰が夕日に染まりきれいである。

午後5時の夕食後、布団にもぐり込む。
幸い一人一枚の布団で、まあまあ快適に寝られる。
午後7時過ぎには布団に潜り込むも、この時期としては暑いくらいで、時々目が覚める。
夜中にトイレに立つ時外を眺めると星が瞬いており明日も天気はよさそうである。
8月3日(月)涸沢ヒュッテ~北穂高岳~涸沢岳~穂高岳山荘
【天気】 晴れ
【コースタイム】涸沢ヒュッテ(5:30)→南稜取付(7:00)→北穂高岳(8:40)→北穂小屋(8:50/9:20)→涸沢のコル(10:50)→涸沢岳(11:55)→穂高岳山荘(12:20)
朝4時ごろ起床し、5時に朝食をとる。
今日も外は素晴らしい晴天で、北穂高岳が朝日に輝いている。

明るくなった、5:30、北穂に向けて出発する。

涸沢のテント場の雪渓を横切って行く。

しばらく北穂沢に沿って上がり、お花畑になっている草付きに出る。
今年は開花が早いらしくすでに最盛期は過ぎている。
登るにつれ前穂北尾根が徐々にせり上がってくる。

北尾根の上には、南アルプスの左に富士山も頭をのぞかせている。

クサリ場やハシゴを登り、北穂南稜の上に出ると、奥穂高がますます大きくなる。

急な南陵の道を3時間ほど登り、縦走路へ出て、右に曲がると北穂高岳山頂はもうすぐである。

8:40、北穂高岳山頂に着く。

少し下がった北穂小屋のテラスでキレット越しの槍ヶ岳を見ながら、美味しいコーヒーを飲んで休憩する。

休憩後、南陵分岐まで戻り、涸沢岳から続く県境尾根を南下する。
この北穂から涸沢岳までは、北アルプスの一般道の中でもクサリ場や長いハシゴが連続する屈指の手強いコースである。

涸沢槍を巻いて不安定な岩場を通過する。

最低コルまで下り、いよいよ最後の涸沢岳の登りにかかる。

連続するクサリ場を慎重に通過し、11:55、涸沢岳山頂に着く。

この頃よりややガスがかかり出す。
涸沢岳からはよく整備された道を下り、12:20、今日の宿泊先の穂高岳山荘に着く。
小屋前でおいしいラーメンを食べる。
今日は韓国からの150人の団体客が宿泊するということで、小屋は超満員である。
早く着いたので、千円余分に出して、狭いながらも一人一枚の布団に寝ることができる。
夕食後布団の上で休んいると、今日涸沢のザイテングラードで72歳の方が岩場から滑落して亡くなったという情報が入ってくる。
明日の行程を考え早めに布団に入るも、団体客が遅くまでざわついておりなかなか寝付かれない。
8月4日(火)穂高岳山荘~奥穂高岳~前穂高岳~岳沢ヒュッテ~上高地
【天気】 晴れ
【コースタイム】穂高岳山荘(4:30)→奥穂高岳(5:25)→紀美子平(7:05)→前穂高岳(7:40/8:00)→紀美子平8:25)→岳沢小屋(10:25/10:40)→上高地(12:07)
朝食は混雑が予想されるので小屋では頼まず、4:30、明るくなりかけた中を奥穂高岳に向けて出発する。

クサリやハシゴを登って行くと、途中で常念岳の右肩から朝日が顔を出す。

明るくなって来ると槍ヶ岳方面が見えてくる。

ジャンダルムの頭にも朝日が当たり始める。

5:25、日本第3位の高峰奥穂高岳山頂に立つ。
槍ヶ岳にかけての稜線が朝日に輝いて眩しい。
山頂から少し下がった所で朝食を食べた後吊尾根を行く。
焼岳やジャンダルムにも朝日が当たりだす。
途中乗鞍岳や御嶽山方面も朝日に浮かんで見える。
7:05、紀美子平に着き、荷物を置いて前穂高岳に登る。
急な岩稜帯を30分ほど登り、一等三角点の前穂高岳山頂に着く。
山頂からは、槍ヶ岳へと続く稜線の奥に北アルプス北部の山々が連なっているのが見える。
眺望を堪能した後紀美子平に下山する。
紀美子平からは急な道を岳沢へと下る。
途中はるか下の方に岳沢小屋が見下ろせる。
シシウドなどのお花畑が近づき、傾斜が緩やかになると岳沢小屋が近い。
お花畑を横切り、岳沢を渡ると赤い屋根の岳沢小屋に着く。
小屋で冷たい飲み物を飲み一服する。
小屋からは岳沢に沿った緩やかな道を1時間半ほど下り、12:07、上高地の河童橋へ着く。
帰りはバスであかんだな駐車場へ戻る。
平湯の日帰り温泉で3日間の汗を流し、東海北陸道を走り、午後7時前に名古屋へ帰る。
今回の山行は、初心者にはやや難しいコースであったので、事前にトーレニングを重ねてから実施した。
特に岩稜帯の歩行訓練を積み重ねての山行であった。
憧れの穂高連峰へ登るため、参加された皆さんが事前のトレーニングから熱心に取り組まれた結果、事故もなく無事終了することが出来た。
安全には最大限の注意を払わなければならないが、目的を持って取り組めば、年齢には関係なく素晴らしい成果を出すことが出来るものである。
連れて行った私の方が勉強をさせられた山行であった。
参加された皆さん、また頑張っていろいろな山へ一緒に行きましょう。
山遊人