9月11日(木)~13日(土)北アルプス表銀座縦走(中房温泉~燕岳~西岳~槍ヶ岳~横尾~上高地)山岳会の仲間6人と一緒に、北アルプス表銀座を縦走山行する。
9月11日(木) 曇り時々晴れ中房温泉~燕岳(2762.9m)
【コースタイム】中房温泉登山口(11:00)→第3ベンチ(12:45)→富士見ベンチ(13:25)→合戦小屋(14:10/14:30)→燕山荘(15:30/15:45)→燕岳(16:13)→燕山荘(16:40)
朝6時半に集合し、車で中央道を走り、安曇野ICを出て、豊科駅前のタクシー会社へ午前9時半過ぎに着く。
車の回送を依頼し、タクシー2台に乗り、午前10時半に中房温泉に着く。
薄曇りの天気である。
準備を整え、11:00、燕岳への登山口を出発する。
最初のうちは合戦尾根の急登が続く。
第1ベンチを過ぎ第2ベンチで昼食を食べる。
第3ベンチ、富士見ベンチを経て、合戦小屋へ午後2時過ぎに着き休憩する。
小屋名物のスイカを食べ喉を潤す。(何遍も通っているが初めて食べる!やはりおいしい!)
小屋から上のあたりではすでに木々の紅葉が始まりかけている。
ガスがかかり視界が利かない中を合戦沢の頭を経て燕山荘を目指す。
午後3時半前、ガスの中から小屋が現れやっと燕山荘に到着する。
小屋の受付を済ませ、荷物を預けて空身で燕岳を目指す。
時々ガスが切れ花崗岩とハイマツの特徴的な山肌の燕岳が姿を現す。
途中のコマクサの群生地には咲き残りのコマクサが少し咲いている。
30分ほど登り、16:13、ガスで視界のない燕岳山頂に着く。
風が強くとても寒いので、写真だけ撮ってすぐに下山にかかる。
「めがね岩」などの花崗岩の奇岩が続く中を下る。
燕山荘の先には明日辿る大天井岳への道がガスの中から見え隠れする。
小屋に戻り割り当てられた部屋に入る。
まだ連休前の平日なので割合ゆったりとしたスペースで休むことができる。
午後6時に昼食を食べる。
「泊まりたい小屋ベスト1」の燕山荘はトイレなども清潔で、従業員の応対もいい。
明日からの縦走に備え、午後7時過ぎには布団にもぐり込み就寝する。
9月12日(金) 快晴燕山荘~西岳(2758m)~水俣乗越~東鎌尾根~槍ヶ岳山荘
【コースタイム】燕山荘(5:00)→蛙岩(5:35)→喜作レリーフ(7:10)→大天井ヒュッテ(8:13/8:30)→ヒュッテ西岳(11:10/11:30)→水俣乗越(12:28)→ヒュッテ大槍(14:40/14:50)→槍ヶ岳山荘(16:00)
いよいよ今日は表銀座縦走の日である。
30年以上前に歩いたときのことが思い出される。
天気は晴れてよさそうである。
朝食は弁当にしてもらい、5:00、まだ明けやらぬ中を出発する。
道には霜柱が立ち、気温は0℃近くまで冷え込んでいる。
稜線を20分ほど歩いていくと空が白み始め、行く手には槍ヶ岳から穂高の稜線が薄っすらと赤くなってくる。
5:27、安曇野の雲海の向こうから朝日が昇ってくる。
皆盛んにカメラのシャッターを切っている。
赤く染まった蛙岩の上に月がかかっている。
段々と槍の穂先に朝日が射してくるのを目の前に見ながら快適な歩みが続く。
午前6時過ぎすっかり夜が明け、絶好の秋晴れのいい天気である。
7:10、喜作新道を拓いた小林喜作のレリーフ横を通過する。
大天井岳には登らず右の巻き道を行く。
岩場が続く歩きにくい道である。
午前8時過ぎ、眼下に赤い屋根の大天井ヒュッテが見えてくる。
8:13、ヒュッテに着きしばらく休憩する。
牛首岳を巻いて、ビックリ平のピークを経て槍を見ながらの快適な稜線歩きが続く。
槍ヶ岳の雄姿がますます大きくなってくる。
肩の小屋も小さく確認できる。
南岳から大キレットを経て穂高連峰もきれいに見えている。
小屋を出発して6時間以上、11:15、やっと西岳ヒュッテに着く。
ヒュッテの東には端正な形の常念岳が近い。
ここで昼食を食べて休憩をする。
11:30、後半の東鎌尾根の歩きが始まる。
ヒュッテから真西に折れて、長い梯子などの急降下が始まる。
1時間ほどかけて水俣乗越の鞍部に下り立つ。
北の天上沢の向こうには高瀬ダムが見えている。
ここからいよいよ東鎌尾根の登りが始まる。
いくつかピークを越えていく。
長い階段がいくつも続く急坂がしんどい。
苦しい登りの途中夏の名残りの花が慰めてくれる。
ガスが出始めた中、14:40、やっとの思いでヒュッテ大槍に着く。
少し休憩した後、槍ヶ岳山荘までの最後の登りにかかる。
予想以上に時間がかかり、朝5時に歩き始めてから11時間後の午後4時にやっと槍ヶ岳山荘に到着する。
ガスが切れて、常念岳や、眼下には槍沢カールが見えている。
時間が遅いので槍への登頂は明日にして、小屋の受付を済ませて部屋に入る。
気温が下がり非常に寒いので、喫茶室へ暖かいものを飲みに行く。
午後6時半に夕食を済ませた後、11時間の歩きで疲れているのか、皆早目に就寝する。
9月13日(土) 晴れ槍ヶ岳(3180m)~槍沢~水俣乗越~槍沢ヒュッテ~横尾~上高地
【コースタイム】槍ヶ岳山荘(5:05)→槍ヶ岳(5:35/5:40)→槍ヶ岳山荘(6:10/6:45)→天狗池分岐(8:30)→水俣乗越分岐(9:15)→槍沢ロッジ(10:15)
→横尾(11:30/12:15)→徳沢(13:10)→上高地(15:00)
朝4時に起床し、朝食のおにぎりを食べた後、午前5時過ぎ槍ヶ岳へ登りに行く。
まだ時間が早いのでそんなに混んでおらずスムーズに登ることが出来る。
5時半過ぎ最後の梯子を登って山頂に立つ。
ちょうど常念岳の北から朝日が昇ったところである。
昨日よりはやや雲がかかっているが、山頂からは360度の大展望が広がる。
南には穂高岳方面が赤く染まって夜明けを迎えている。
北西には昨年行った三俣蓮華岳から黒部五郎岳が懐かしい。
遠く富士山や南アルプスが雲海に浮かんでいる。
これから下る槍沢カールも眼下に広がる。
直下には槍ヶ岳山荘が目覚めの朝日を浴びている。
笠ヶ岳に槍の影が映っている。
全員で記念撮影をする。
段々と混みだした山頂を後に下山にかかる。
肩に下って穂先を見上げるとたくさんの登山者の行列が出来ている。
6:45、名残りを惜しみながら槍沢を下山にかかる。
殺生小屋への分岐から穂先を振り仰ぐ。
坊主岩小屋を通過する。
天狗池への分岐あたりから槍の穂先が見えなくなる。
まだ雪渓が残る槍沢を歩いて下山する。
この辺りはまだ初秋の花々がきれいである。
連休に入ったため、すごい数の登山者が槍沢を登ってくる。
すれ違いに余分の時間を費やす。
水俣乗越分岐、ババ平を経て、10:15、大勢の登山客で賑わう槍沢ロッジに着く。
更に槍沢に沿った樹林帯を歩いて、11:30、横尾に出ると涸沢からの人と合わせてすごい人である。
山荘でカレーを食べ、久しぶりの美味しいご飯で腹を満たす。
休憩後徳沢に向けて林道を歩いていると、人怖じせずゆうゆうと歩いている猿の群れに出くわす。
13:10、氷壁の宿徳沢園へ着く。
少し休んだ後、明神を経て上高地まで歩いていくと、河童橋は大勢の観光客で大賑わいである。
穂高連峰の稜線にはやや雲が出始める。
午後3時にバスターミナルに着き、バスで沢渡まで行き、回送してもらっている駐車場まで行き車に戻る。
すぐ前の日帰り温泉で3日間の汗を流して帰途に着く。
松本ICから中央道に乗り、午後9時過ぎに名古屋へ戻る。
今回の山行は、表銀座を2泊3日の予定で縦走するというややハードな日程であった。
途中で体調を崩されたYさんを除いて、皆さん頑張ってよく歩き通された。
3日間とも天候に恵まれ、初めて槍ヶ岳へ登られた方も満足のいく山行だったのではないかと推察する。
今年の夏は悪天候続きで満足のいく山行がなかなかできなかったが、やっと初秋の北アルプスを満喫できた山行であった。
山遊人