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南信州:万古(まんご)渓谷で沢遊び
2013/08/30(Fri)
8月29日(木)

南信州:万古渓谷(まんごけいこく)

山仲間と南信州の泰阜村にある「万古渓谷」へ沢歩きに出かける。

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台風と前線が近づいており、週末は天気が荒れそうである。
山仲間に以前から聞いていた「万古渓谷」で、この夏最後?の沢遊びをしようと山仲間を誘う。
朝5時半に名古屋を出発し、中央道の飯田山本ICから三遠南信自動車道の天竜峡ICを出て、泰阜村の二軒屋キャンプ場を目指す。
県道1号を走り、泰阜村からは林道に入り、山越えして万古川へ下る。
林道には小さな落石がいっぱいあり荒れており、キャンプ場手前はややダート気味で車の腹をこすりそうである。
午前8時頃、地元の車が1台だけ停まっている二軒屋キャンプ場の駐車場に着く。
ここにはきれいな水洗のトイレも設置されている。
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ここで沢靴に履き替え、8:15、二軒屋キャンプ場への赤い吊橋を渡り、橋のすぐ下から入渓する。
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ここ数日の日照りのためか水は浅く、最初はゴロ石の沢が続く。
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右手の沢から滝が落ちている所を過ぎ、15分ほど歩くと薄暗い淵が現れる。
万古渓谷では、淵などには沢歩き用に足場のボルトや手掛かりのクサリが付けられているので高巻きするところは少ない。
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しかし、今日は水が少ないので、かなり水面から高い所を慎重につたっていく。
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所々花崗岩のナメも現れ気持ちよく歩く。
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苔むした緑の岩の淵や小滝が随所に現れる。
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水が浅いので、クサリには頼らなくてもヘツッていくことができる所もある。
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2時間ほど歩いた10時過ぎ、10mほどの「魚止の滝」が現れる。
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ここは直登することは難しく、右側にロープの垂れた巻き道がある。
クサリに掴まってかなり上まで登り、すぐに急降下する。
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再び沢に戻り、上から滝を覘く。
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午前11時前、馬小屋沢との合流点に着く。
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万古渓谷は、ここから更に上流へ「不動の滝」、「唐沢の滝」へと2時間ほど続くが、車をデポしておかないとそこまでは無理なので、今日はここで引き返すことにする。
河原でゆっくりと昼食タイムをとり、11時過ぎ再び歩いて来た沢を引き返す。
帰りはナメや小滝の所で滑ったり、泳いだりして遊びながらのんびりと下る。
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午後2時前、駐車場まで戻る。
平日のためか、結局1人も他の登山者とは会うことはなかった。

帰りに、下條村の「コスモスの湯」で汗を流し、午後6時名古屋へ帰名する。



万古渓谷は、以前から聞いていて、一度行ってみたいと思っていたが、人工的に足場などが作ってあり、そんなに危険な所もなく、淵やナメ、滝など変化に富んだ渓谷である。
夏に沢遊びをするには最適な所である。
今度は更に奥の不動滝や唐沢の滝まで行ってみたいものである。
暑い夏最後の?沢歩きを満喫できた山行であった。

山遊人
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晩夏の北アルプス:白馬三山縦走
2013/08/28(Wed)
8月26日(月)~27日(火)

北アルプス白馬三山:白馬岳(2932m)・杓子岳(2812m)・鑓ヶ岳(2903m)

登山教室の生徒さんら4名と一緒に北アルプスの白馬三山に1泊2日の日程で山行する。
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(白馬岳~槍ヶ岳間は、GPSのスイッチを入れ忘れました)

【コースタイム】

8月26日(月)
猿倉(7:20)→白馬尻(8:20)→葱平(11:15)→村営小屋(12:50/13:25)→白馬山荘(13:45)
8月27日(火)
白馬山荘(5:45)→白馬岳(6:05/6:15)→白馬山荘(6:25/6:37)→杓子岳(8:00)→鑓ヶ岳(9:00)→鑓温泉分岐(9:27)→鑓温泉(11:15/11:50)→小日向コル(13:55)→猿倉(15:50)



8月26日(月) 猿倉~白馬山荘 天気:晴れ午後ガスかかる

秋雨前線が南に下がり、天気が回復しそうな予報のもと、午前3時に集合して、中央道を走り、安曇野ICを出て、白馬八方へ午前6時半過ぎに着く。
計画では八方の駐車場に車を置いて、タクシーで猿倉まで行く予定であったが、夏山のハイシーズンも過ぎたウィークデーなので駐車場が空いていることを期待して猿倉まで上がってみる。
午前7時前駐車場に着くと、7割程度の混みようで駐車スペースを確保できる。
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準備を整えて、少し歩いて猿倉荘前まで行き、7:20、白馬尻に向けて歩き始める。
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今日は、標高差1600mを登るという教室の生徒さんにとっては初めての体験である。
白馬尻までの林道から振り仰ぐと真っ青な空のもと白馬岳が聳えている。
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林道が切れた所から登山道に入り、猿倉から1時間ほどで白馬尻の小屋前に着く。
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小屋前からは白馬大雪渓がよく見える。
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15分ほど登った大雪渓の取り付きで軽アイゼンを着ける。
今年は残雪が多いと聞いていたが、8月も終盤になると随所で雪渓が切れている。
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途中右岸へ一度上がり登山道を歩き、再び雪渓に戻る。
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雪渓上部ではガレ場を歩くところもある。
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大雪渓上部のモレーンでアイゼンをはずす。
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大雪渓が終わり、左岸の草付きの急登を登って行く。
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葱平、避難小屋を過ぎ、12:15、お花畑に着く。
夏の最盛期は過ぎているが、まだまだたくさん花が咲いている。
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最後の急登を登って、12:50、ようやく村営小屋に着く。
ここでゆっくりと昼食を食べる。
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昼食後、ガスが上がり始めた中を稜線に出て、13:45、今日の宿泊地の白馬山荘に着く。
今回は少し贅沢をして、初めて個室に泊まる。
8畳の部屋に5人なので、ゆったりと過ごすことができる。
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天気がよければ白馬岳へ登る予定でいたが、すっかりガスがかかり何も見えないので、夕食までの間、部屋で疲れた身体を休める。
午後5時から夕食である。
100人以上は入ることができる大きな食堂である。
夕食後部屋へ戻り、消灯までの間思い思いに過ごす。
明日に備えて午後8時ごろには布団に潜り込み就寝する。
夜中にトイレに起き、外を覗くとすっかりガスの中である。



8月27日(火) 白馬山荘~白馬三山縦走~鑓温泉~猿倉 天気:晴れ

朝4時前に目が覚め外を覗くと依然としてガスが濃く、雷鳴が鳴り小雨も降っている。
朝食前に白馬岳に登るのを止め、午前5時半に朝食を食べた後ザックを背負って外に出ると、雨が上がりガスも切れ始める。
西には剱岳から立山にかけての稜線が雲の上に頭を出しているのが見える。
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ザックを小屋前に置いて空身で白馬岳へ登りに行く。
20分ほどで山頂に着く。
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山頂からは、今日登る南の杓子岳や鑓ヶ岳の肩腰に鹿島槍ヶ岳なども見えている。
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眼下には雲海が広がっている。
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充分に眺望を堪能し、下山し始める頃より、旭岳にかかるガスの中にブロッケン現象が現れる。
以前にも2、3度見たことがあるが、今回はかなりはっきりと見える。
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周りにいる登山者も盛んに手を振ったりカメラのシャッターを切ったりしている。
一緒に行った仲間も初めて見る現象に興奮気味である。
下山の途中では、2重の輪もはっきりと見える。
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小屋に戻り、ザックを担いて、6:37、杓子岳に向けて出発する。
朝日を浴びて稜線を歩き、丸山の山頂に登ると杓子岳や鑓ヶ岳が朝日に輝いている。。
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振り返ればガスの切れ間から白馬岳山頂が見え、村営小屋の横にはテント場も見えている。
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杓子岳へは、巻き道との分岐から急登を登り、午前8時前に山頂に立つ。
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目の前には次に登る鑓ヶ岳が信州側に鋭く切れ落ちて立ちはだかっている。
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北には山頂を少し右に傾かせた白馬岳山がよく見える。
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一旦鞍部まで下って鑓ヶ岳へのジグザグの急登を登る。
途中で振り返ると杓子岳から白馬岳への稜線がよく見える。
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午前9時過ぎガスがかかりだした鑓ヶ岳の山頂に立つ。
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下山にかかる頃からまたガスが切れ出し、真っ青の空のもとガレ場の続く道を下る。
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行く手の稜線の右手には剱岳、左手には鑓ヶ岳の穂先も見えている。
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振り仰げば白い鑓ヶ岳がまぶしいほどである。
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午前9時半鑓温泉への分岐に着き、ここを左手に折れて急斜面を下って行く。
20分ほどで大出原に出る。
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あたりはまだまだ色々な花がきれいに咲いており、特にチングルマの大群落があり、綿毛が風にそよいでいる。
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更に下ると、鑓ヶ岳の斜面にはお花畑が広がっている。
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奥の方にはオニユリの大群落も見える。
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鑓温泉の手前からはクサリやハシゴのかかった急な岩場が続く。
この夏山シーズン中にも数件事故が起きているということで、我々も慎重に下る。
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岩場を過ぎると眼下にやっと鑓温泉の小屋が見えてくる。
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11:15、鑓温泉に着き、小屋でうどんを注文し食べる。
お腹がすいているのでとてもおいしい。
また一度ここの露天風呂にゆっくりと入りに来たいものである。
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ゆっくりと休憩をした後、12:53、小屋を後にする。
途中2度ほど雪渓を横切る。
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崩壊の激しい沢を過ぎ、杓子沢の雪渓を渡って大きく尾根を回り込み、最後の登りで小日向のコルに、午後2時前に着く。
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コルからは樹林帯の道をいやになるほど下り、疲れが出始めた午後3時半過ぎ白馬尻への林道に出て、15:50、やっと猿倉荘前に着く。

駐車場に戻り、車で八方の「みみずくの湯」へ行き、2日間の汗を流してから帰名の途につく。
途中のそば屋で美味しいそばを食べ、中央道を走って午後9時半に帰名する。



今回の山行は、当初7月下旬に計画したが、悪天候で延期になった山行であった。
1日目はいい天気であったが、夜間にはガスがかかり、2日目の明け方には雨も降り出したので心配した。
しかし、夜が明けると急激に天候は回復し、2日間とも晴天に恵まれた。
晩夏の北アルプスはまだお花も結構咲いており、展望にも恵まれた山行であった。
2日目は、1日10時間近く歩き、標高差1700mを下るという結構ハードな山行であったが、参加された皆さん頑張って無事元気に歩き通すことが出来、これからの山行にも大いに自信がついたものと思う。

山遊人
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ガスと強風の乗鞍岳
2013/08/22(Thu)
8月21日(水)

北アルプス:乗鞍岳(3025.6m)

所属の会の登山教室で、北アルプスの乗鞍岳へ山行する。
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前線がかかりやや不安定な天候の中、受講生14名、指導員4名の参加を得て、朝7時前にマイクロバスで出発する。
東海北陸道を走り、高山を通り、R158の平湯峠から乗鞍スカイラインを通って、10:20、畳平駐車場に着く。
悪天にもかかわらず観光バスもたくさん停まっている。
バスを降りると10m先も見えないほどのガスでトイレを探すのにも一苦労である。
バスターミナル内でカッパを着て準備をする。
進行方向の確認などの注意を受け、10:45、剣ヶ峰に向けて出発する。
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ガスが深いのでどちらへ向かったらいいかわからないほどである。
鶴ヶ池のふちを通り車道を歩く。
車道の両側にはまだオンタデやコマクサなどのお花がたくさん咲いている。
40分ほど歩いて肩の小屋に着く。
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ここで初心者はストックの握り方などの注意を受ける。
ここから登山道に入り剣ヶ峰を目指す。
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途中集団登山の中学生など沢山の登山者とすれ違う。
稜線上は飛ばされそうなほどの強風である。
路肩に咲くウサギギクやアキノキリンソウ、ヨツバシオガマなどの花々に励まされ頂上小屋脇を通り、12:25、祠の建つ乗鞍岳(剣ヶ峰)山頂に立つ。
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山頂で昼食タイムをとる。
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昼食後全員で記念撮影をする。
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12:50、山頂を後に下山にかかる。
登ってきた時と同じ道を下り、肩の小屋に下る頃からは若干ガスも切れだし、時々周囲の景色が見え始める。
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路傍に咲く花々の名前を覚えたりしながらのんびりと下る。
畳平の駐車場がガスの中から姿を現し、14:15、下山する。
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ターミナルでカッパを脱ぎ、バスに乗り込み帰路につく。
途中の朴の木平で日帰り温泉に入り、東海北陸道の一宮ジャンクションで渋滞に引っかかったが、午後7時半前に名古屋へ無事帰着する。



今日の教室山行は、生憎の天候の中で行われたが、3000m級の山では夏でも天候が崩れると非常に寒く、それへの衣服や食料の対応について経験するにはいい山行になった。
予想以上にたくさんの高山植物にも合うことができ、参加された受講生の皆さんも楽しめたのではないかと思う。


出合った花たち
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山遊人
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沢歩きの楽しみ:沢上谷
2013/08/20(Tue)
8月19日(月)

奥飛騨:沢上谷(そうれだに)

異常な残暑が続く名古屋を抜け出し、涼しい沢で遊ぼうと、登山教室の有志仲間11人と一緒に奥飛騨の「沢上谷」へ沢歩きに出かける。

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朝6時半過ぎ、3台の車に分乗し、東海北陸道を走り、高山の街を抜けてR158号から県道89号を通って上宝村鼠餅の入渓地点に午前9時半頃着く。
沢上谷の橋手前の林道を少し入った3台駐車できる広場で沢靴に履き替えて準備をする。
9:50、沢に下り遡行を開始する。
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ほとんどの人が沢歩きは初めてなので、歩き方の注意などをしてから歩き出す。
10分ほどで左手に「出合の滝」が現れ、滝の左手をフィックスロープにつかまりながら上がる。
ナメが続く気持ちのいい沢を上がって行く。
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30分ほど歩いて、柔らかな曲線を描いてすだれのように流れ落ちる「五郎七郎の滝」に着く。
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猛暑が続いているためか前回来た時よりはやや水量が少ない。
ここで、沢靴を履いていない人は、用意してきた荒縄を靴に縛り滑り止めとする。
本流に戻り、少し上流の左手から流れ込む小さな沢へ入り、「岩洞の滝」を目指す。
途中には所々涼し気な淵もある。
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12時過ぎオーバーハングした25メートルの崖から流れ落ちる「岩洞の滝」に着く。
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皆で滝の裏側に回ってみる。
滝下でマイナスイオンを浴びながら昼食タイムをとる。
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記念撮影後、次の「簑谷大滝」を目指して元の本流に戻る。
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本流に出た所で勘違いして少し下ってしまい、途中で気がつき戻り直す。
30分以上時間をロスしたが、午後2時過ぎ沢上谷最大の滝「簑谷大滝」に着く。
30メートルの一枚岩から流れ落ちる壮大な滝である。
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充分に滝を堪能した後、遡上してきた谷をそのまま下山する。
馴れない谷歩きの疲れで滑らないように気を付けて歩き、午後3時半過ぎ入渓地点の駐車場に全員無事戻る。

途中の赤く濁った湯の「恵比寿の湯」で汗を流し、東海北陸道を走って、午後8時半頃名古屋に帰る。



今日の沢上谷遡行は、沢歩きの楽しさや初歩的な沢歩き技術を体験する山行であった。
沢靴を準備されていない人は、少し傾斜が増すと滑るのでやや苦労をしていたが、初めての沢歩きで夏の沢の楽しさを体験できた山行ではなかったかと推察する。

山遊人
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盛夏の北アルプス:ダイアモンドコース周回
2013/08/12(Mon)
8月8日(木)~11日(日)

北アルプス:黒部五郎岳(2840m)・鷲羽岳(2924m)・水晶岳(2986m)・雲の平



8月8日(木) 折立~太郎平小屋

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【コースタイム】
折立(11:15)~三角点(12:58)~五光岩ベンチ(14:35)~太郎平小屋(15:30)

昨日から暑さがぶり返し、当分の間晴天が期待される天候のもと、山仲間7人とともに恒例の夏山山行に出かける。
朝6時半に集合し、車2台に分乗して東海北陸道・北陸道を走り、立山ICから有峰を通り、折立駐車場に10時半過ぎに着く。
夏山シーズン最盛期ということで、駐車場は満車状態であったが、偶然にも2台分の空きがありそこへ駐車できる。
準備を整えて、11:15、折立ヒュッテ前から太郎平小屋を目指す。
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愛大生遭難碑の「十三重の塔」の前を通り、樹林帯の急坂(通称太郎坂)をグングンと登っていく。
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午後1時前ベンチのある三角点ポイントに着き一休み。
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やや雲が広がり薬師岳は隠れて見えない。
三角点から少し登ると森林限界を越えて太郎平の高原の一角に出る。
このあたりからはチングルマやニッコウキスゲなどが咲いておりきれいである。
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石ころで歩きにくい階段状の道を登って行くと、五光岩ベンチのあたりから遠く稜線上に太郎平小屋が見えてくる。
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木道に代わりしばらく行くと、道の横に6羽もの雛を連れた雷鳥の親子が盛んに砂掛けをしているのに出くわす。
人馴れしているのか逃げる様子もないので皆盛んにシャッターを切っている。
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15:30、大勢の登山者で賑わう太郎平小屋前に着く。
受付を済ませて小屋に入る。
今日は結構宿泊者が多い予想で、屋根裏部屋で布団一枚に2人ということである。
少し休憩をしてから外に出るとガスが少し切れて周囲の景色が見え始める。
小屋前のベンチに座り、美味しいビールで今日一日の疲れを癒す。
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午後6時前からの夕食を済ませ、明日からの長旅に備えて午後7時過ぎには布団に潜り込み就寝する。
夜中にトイレに起きた時に外を覗くと、星が瞬いており、明日の晴天が期待される。



8月9日(金) 太郎平~北ノ俣岳~黒部五郎岳~五郎小舎~三俣山荘

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【コースタイム】
太郎平小屋(4:55)~北ノ俣岳(6:52)~中俣乗越(8:08)~黒部五郎岳(10:15)~カール底(11:03/11:25)~黒部五郎小舎(12:28)~三俣山荘(15:33)

朝3時過ぎに目が覚める。
予想と違い外は一面のガスである。
今日は10時間近く歩く予定のいちばんハードな日なので早めに準備をし、朝食は弁当にしてもらう。
別行動をする1人の仲間と別れて、4:55、ガスで何も見えない中を出発する。
太郎山の近くではコバイケイソウの群落が霧の中に幻想的に浮かびあがってくる。
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北ノ俣岳への途中で小屋で作ってもらった朝食を食べる。
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2時間ほど歩いて登った北ノ俣岳(上ノ俣岳)山頂もガスの中である。
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赤木岳を越え、中俣乗越に出る頃から徐々にガスが切れ青空も見え始める。
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黒部五郎岳もガスの中から徐々に姿を見せ始める。
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中俣乗越から1時間半ほどかけて五郎の肩に出る。
肩からは北に薬師岳が堂々とした姿を見せている。
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肩に荷物を置き、空身で15分ほど登り黒部五郎岳山頂に立つ。
山頂からは歩いて来た北ノ俣岳や、薬師岳、水晶岳方面の視界が開ける。
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山頂で全員で記念撮影をする。
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眺望を楽しんだ後肩に戻り、カールへの道を下りて行く。
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カールの中は残雪が残り、お花も一面に咲いて素晴らしい所である。
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途中の斜面にはコバイケイソウの大群落が広がっている。
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カール底で雪解けの冷たい水を飲み昼食を食べる。
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昼食後、カール底の道を1時間ほど歩き、12:28、黒部五郎小舎に着く。
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小屋の横にはコバイケイソウの群落が広がり、笠ヶ岳が三角形の端正な姿を見せている。
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少し休んだ後、三俣蓮華岳に向けて小屋裏の急登を登る。
稜線まで出てからは三俣蓮華岳に登る予定であったが、長時間の歩行に皆疲れており巻き道を行く。
途中2ヶ所ほど雪渓を渡る。
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前方に北鎌尾根に続く槍ヶ岳が姿を現す。
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テント場を過ぎ、15:33、やっと赤い屋根の三俣山荘に着く。
すぐ目の前には明日登る鷲羽岳が天に向かって鋭鋒を突き出している。
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今日も一枚の布団に2人という混みようである。
部屋に荷物を置いてから外に出てみると、槍ヶ岳方面が雲の間から見えている。
槍の穂先は雲の中からなかなか姿を現わさない。
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明日登る鷲羽岳の急斜面が徐々に夕日に赤く染まりだす。
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17:45にシチューの夕食を食べて、長時間の歩きで疲れた身体を休めるため早めに布団に入る。
夜通し外の風の音が強く、明日の天気を心配しながら就寝する。



8月10日(土) 三俣山荘~鷲羽岳~水晶岳~雲の平

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【コースタイム】
三俣山荘(5:36)~鷲羽岳(6:54)~水晶岳(9:29)~岩苔乗越(11:23/11:50)~祖父岳(12:38)~雲ノ平山荘(14:01)

今日は鷲羽岳、水晶岳と二つの百名山が待っている。
外はガスが濃く、おまけに風も強い天候である。
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朝5時に朝食を食べ、5:36、小屋を後に鷲羽岳に向けて登り始める。
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ガスで何も見えない中強風に耐えながら1時間15分ほど登り、6:54、鷲羽岳山頂に着く。
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残念ながら山頂からの展望は効かず、早々に下山にかかり、ワリモ岳を経て、ワリモ乗越から水晶小屋へ行く。
水晶小屋に荷物を置き、岩稜の道を通って水晶岳を目指す。
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ガスが切れ始め、いくつもの岩峰の先に水晶岳山頂が見えてくる。
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9:30、水晶岳山頂に立つ。
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山頂からは野口五郎岳や赤牛岳がガスの中から見え隠れする。
登ってきた道を戻り、水晶小屋から荷物を担いで岩苔乗越へ下り、そこで昼食にする。
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黒部源流が下の方に見えている。
乗越から50分ほど登り、広い山頂の祖父岳に出る。
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祖父岳の斜面を雲ノ平へと下る。
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テント場を下に見て木道を下っていくと、雲ノ平の小屋手前にはコバイケイソウが咲き競っている。
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午後2時、3年前に立て替わり新しくモダンな建物になった雲ノ平山荘に着く。
時間も早いので、小屋の食堂でゆっくりと時間を過ごす。
夕食前小屋のテラスに出てみると、目の前の水晶岳が立派である。
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今日は一枚の布団に1人とゆったりと寝ることが出来る。
3日目ということで皆疲れたのか早めの就寝タイムとする。



8月11日(日) 雲ノ平~薬師沢~太郎平~折立

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【コースタイム】
雲ノ平山荘(6:00)~薬師沢小屋(9:00/9:15)~太郎平(11:40/12:30)~三角点(13:52)~折立(15:12)

朝4時に起床し、朝食までの間ベランダから外を見ていると黒部五郎岳に朝日が当たり始める。
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水晶岳は逆行でシルエットになって浮かび上がる。
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朝食を食べ、午前6時に小屋を出発する。
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岩の間に木道の敷かれた平坦な道を行く。
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途中にはチングルマが多く、ちょうど満開であるが、すでに綿毛になっているものもある。
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水平な木道を1時間ほど歩き、いよいよ薬師沢へと滑りやすい岩の道を下り出す。
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苔むした岩はとても滑りやすく、しかも急坂が続くので細心の注意をして下る。
日曜日のためかたくさんの人が登ってくる。
2時間ほど急坂を下り、薬師沢との出合に下り、ハシゴを登り、黒部川に架かる吊橋を渡って、9:00、薬師沢小屋に着く。
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小屋前のテラスは沢山の登山者であふれかえっている。
少し休んだ後太郎平に向けて再び登り返す。
少し登ってカベッケヶ原というニッコウキスゲなどが咲く気持ちのいい湿原を行く。
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途中からは青空に大きく両翼を広げた薬師岳が浮かんでいるのが見える。
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3度ほど沢にかかる橋を渡り、太郎平への最後の急坂を1時間ほど登る。
11:40、やっと3日前に通った太郎平に出る。
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ここで1日目に分かれた仲間とも再会し、ゆっくりと休憩をする。
12:30、3日前に登ってきた折立への道をかけ下り、15:12、全員無事に折立に下り立つ。

途中の「亀谷温泉」で4日間の汗を流し、立山ICに出て、北陸道、東海北陸道を走り、午後10時前に猛暑でうだる名古屋へ帰ってくる。



今回の山行は4日間ともかなりハードな計画で、全員歩き通せるか心配したが、さすがに参加された皆さんこの山行のために日頃からトレーニングに励み、1人の落伍者もなく最後まで歩き通された。
事故もなく全員が無事下山できたことが何よりであった。
雨に一度も降られることもなく、4日間ともいい天気が続き、夏山の醍醐味を堪能できた楽しい山行であった。
山遊人
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