7月27日(土)奥飛騨:沢上谷(そうれたに)特徴のある3つの滝とナメの河床が続く沢で有名な奥飛騨の沢上谷へ仲間2人と沢歩きに出かける。


今年の夏は各地で集中豪雨が続き、まだまだ天候が安定しない。
朝5時半に出発し、東海北陸道を走り、高山ICを出て、高山の街からR158を走る。
JA丹生川支所手前の交差点で左に折れ県道89号を走り、恵比寿の湯を通って箕谷の集落を抜け、沢上谷に架かる橋を過ぎた路肩に午前8時半過ぎに駐車する。
沢靴に履き変え、準備を整えて、8:50、橋のたもとから沢上谷へ入渓する。

15分ほど遡ると左手に10mぐらいのナメ滝が現れる。
ここが「五郎七郎滝」への分岐の「出合の滝」である。
左手の高巻き道をフィックスロープにつかまりながら滝上に上がる。
きれいなナメ滝が続く河床を気持ちよく歩いて行くと、9:20、目の前に突然一枚岩の上を糸状に水が流れ落ちる女性的な五郎七郎滝が現れる。
途中まで上がると水しぶきが気持ちよい。

分岐まで戻りさらに上流を目指す。
しばらくゴロ石の中を行き、地図を確認すると「岩洞滝」への分岐の沢を見逃しているのに気付く。
5分ほど戻り、右手(遡ってくれば左手)の小さな沢入口を見つける。
ナメの続く谷を登り、小さな淵をヘツっていくと目の前に25mの高さのオーバーハング気味の崖から水が流れ落ちている岩洞滝へと出る。

荷物を置いて滝の裏へ廻りこむと、水しぶきがかかり気持ちがよい。

滝裏から見上げると青い空と白い雲をバックにして、カーテンのように水しぶきが落ちている。

マイナスイオンを十分に浴び、再び本流に戻って上流を目指す。
11:15、行く手に白い壁が見えてきたと思ったら、30mの高さの1枚岩から豪快に水が流れ落ちている。
これが沢上谷最大の「箕谷大滝」である。

すごい迫力のある滝で、滝壺まで下りて水しぶきを浴びる。
ここで、滝を見ながら昼食を摂る。
30分ほど休憩をして、右手の藪から滝上に出る道を探しながら急な斜面を登る。
少し登ると断崖に突きあたり、右手にトラバースして水平に付けられた杣道を探す。
赤テープの所からやっと崖に沿ってつけられた水平歩道に出る。

水平歩道を5分ぐらい行くと、今度は崖の突端からロープがたれた激下りの道に出る。

ロープにつかまりながら、注意して7,80m下り箕谷大滝の上に出る。
そこからはナメの河床がずっと続き、それこそ舗装道路を歩いているようである。
10分ほど歩き、二股の滝に出る。
この滝の下はゆるやかなスロープになっており、滑りたくなるほどである。
滝の右手をロープにつかまりながらよじ登る。
更に続く滑床を行き、12:50、林道に架かる橋を上がり今日の遡行を終える。
林道を少し歩いて車で通った県道89号に出て、2軒ほどの箕谷の集落を過ぎると、途中林道から箕谷大滝が流れ落ちているのが見える。
雷雨の雨が少し降り出した林道を1時間以上歩き、14:05、駐車した橋の所まで戻る。
帰りに途中にある「恵比寿の湯」の茶色く濁った湯につかり、疲れを癒してから帰途に着く。
高山から東海北陸道に乗り、午後6時過ぎ名古屋に帰ってくる。
今日の沢上谷は、沢歩きとしては初歩的な沢であったが、途中にある3つの滝がそれぞれに個性のある滝で、この滝を見るだけでも価値のある沢である。
日曜だというのにあまり行き交うパーティーもなく、涼しい滝の霊気に打たれ、命が少し長くなったように感じた山行であった。
山遊人