12月22日(土)~24日(月)所属する山岳会の研修山行で、冬山登山基礎技術を学ぶために、中央アルプスの主峰、木曽駒ケ岳へ上松側から山行する。
【コースタイム】
12/22
敬神の滝小屋(9:30)→4合目(11:37)→金懸小屋(13:10)
12/23
金懸小屋(5:38)→6合目(6:35)→遠見場(8:18)→7合目(8:38)→8合目上(11:40/12/20)→7合目(12:55)→金懸小屋(14:10)
12/24
金懸小屋(6:50)→敬神の滝小屋(8:12)
12月22日(土) 敬神の滝小屋~金懸小屋 天候:雨朝から雨が降る天候の中、9人の参加を得て、朝7時に名古屋を出発する。
中津川ICからR19を走り、上松からアルプス山荘を経て、9:30に敬神の滝小屋に着く。
現地も雪ではなく雨が降る天候である。
車の中で食事を済ませ準備を整えて、10:30、今日の宿泊場所の金懸小屋に向けて出発する。
この時期の雨の中の歩行は手袋などが濡れてつらい。
すぐに尾根に取り付いて樹林帯の中の道を登り、11:37、4合目に着き休憩する。
あたりはうっすらと雪が積もっている。

避難小屋泊まりのため寝具と食料があり、結構荷物が重い。
徐々に積雪が深くなりトレースもなくなる。
最後の急坂を登り、13:10、5合目に建つログハウス風の金懸小屋に着く。
3連休だというのに小屋には我々のパーティの他は誰もいない。
小屋は2階建てで、1,2階にそれぞれ10畳の畳敷きの部屋があり、入り口には6畳ほどの板の間の部屋もある広い避難小屋である。
トイレも外に2つ建っている。
建ってから15年近く経っているが、避難小屋としては清潔で明るい小屋である。
濡れた衣服を着替えて一服してから、14:30、夕食の準備までの時間、6合目まで雪の状態を見に行く。
一部凍っているところはあるも、アイゼンを履くほどのことはない。
胸突き八丁の急坂を過ぎた6合目まで行って引き返す。
午後4時半過ぎから夕食の準備に入る。
今日の夕食はキノコをタップリと入れたキムチ鍋である。
午後5時頃から熱い鍋を囲んで夕食が始まる。
夕食後リーダーから”寒い時期のガスボンベは温めて使うと火力が強くなる”ことを教えて貰うなどして山談義に花が咲く。
夕方からは雨も上がりだし、夜は星もまたたいて見える。
寒くなってきたので午後7時過ぎシュラフに潜り込む。
しっかり着て寝たのでそんなに寒さは感じない。
明日の晴天を期待して眠りにつく。
12月23日(日) 金懸小屋~8合目上(往復) 天候:晴れ後曇 ほとんど無風今日はいよいよ木曽駒ケ岳へのアッタクの日である。
朝4時に起床して朝食の準備にかかる。
今朝の食事は味噌汁と漬け物の簡単なメニューで済ます。
予定では、今日は木曽前岳を経て木曽駒ケ岳への往復コースである。
トレースが全くついていないので予定通り行動できるかどうか心配である。
予報に反して快晴のいい天気で、風もほとんどない。
5:38、まだ真っ暗な中必要な装備だけ持ってライトを点けて出発する。
6合目までは昨日トレースがつけてあるので、1時間ほどで順調に登る。
徐々に明るくなり、右手には谷を隔てて三ノ沢岳がうっすらと見え出す。

8:18、6合目の上の遠見場の展望のいいところで休憩する。
ここからは御岳や乗鞍がよく見える。


この先から積雪が徐々に深くなり、ワカンを着けて交代でラッセルしながらの登行が続く。
8時半過ぎ7合目を過ぎる。
夏ならば1時間半で登れるところを倍の3時間もかかってしまう。
これでは木曽駒ケ岳山頂に立つことはとても無理である。
7合目からは更に積雪が増し、遅々として歩みが進まない。

7合目から1合上がるのに3時間を費やし11:40、やっと8合目の上の森林限界を抜けた展望のいいところに出る。
初めから12時までに行ける所で引き返す予定であったので、リーダーの判断で今回はここまでとする。
風もない素晴らしい晴天で、周囲の山々が全て見渡せる。
すぐ目の前には麦草岳から木曽前岳、木曽駒ケ岳から宝剣岳へと続く稜線が真っ白に雪化粧をして屏風のように連なっている。



南には三ノ沢岳が主稜線から外れて孤高にそびえている。

西には御岳もよく見えている。
全員で写真をとった後、風もないのでここで昼食を食べならが眺望を楽しむ。



ゆっくりと休んだ後下山にかかり、上りには5時間以上費やした道も、下りは2時間弱の14:10、小屋に戻ってくる。
小屋には今朝登ってきた2人連れの登山者がおり、明日駒ケ岳に登るそうである。
時間もたっぷりあるので夕食まで今年の山行を振り返った話題で盛りあがる。
外は粉雪が降り出し、やや天候が悪くなる気配である。
今日の夕食はキムチ鍋とカレーの献立で、一日きついラッセルで体力を使ったのか皆食が進む。
今日も午後7時には床に就くも、昨日よりは少し寒い気がする。
12月24日(月) 金懸小屋~敬神の滝小屋 天候:曇り朝5時に起床し、朝食を食べ、荷物をパッキングして、6:50に小屋をあとに下山にかかる。

昨晩少し雪が降ったのでうっすらと積もっているが、トレースははっきりと残っているので歩きやすい。
所々凍っているので、何度も滑って転びながら1時間半もかからず、8:12、敬神の滝小屋に無事下山する。
我々のパーティの一人と知り合いの小屋の管理の方がストーブを焚いて待っていていただいており、とても美味しい猪鍋やら木曽菜を頂いてゆっくりと休ませていただく。
この後再び違う方達と登るリーダーと別れて、午前10時前日帰り温泉が開くのを待って入れてもらい、3日間のアカを落として、R19号を走り、午後3時前に名古屋に帰る。
今回はアルプスの冬山で登山技術を習得するための山行であった。
今年の冬はどこもすでに積雪が多く、中央アルプスも予想以上に多かった。
そのため木曽駒ケ岳の山頂までは辿りつけなかったが、深い雪のラッセルはとてもいい訓練になった。
たまたま風が弱く、風対策には苦労しなかったが、稜線に出ればかなり吹いていたことが予想された。
参加した皆さんそれぞれにテーマを持って臨み、いい経験ができた山行ではなかったかと思う。
最後になったが、我々を引き連れていって頂いたリーダーに感謝するとともに、この山行で体験したことを今後の山行に活かしていきたい。
山遊人