11月3日(土) 
今日は文化の日、晴天の特異日である。
紅葉が見たくなって、鈴鹿の本を見ていて気になっていた北鈴鹿の御池岳と土倉岳(はぜくらだけ)に久し振りに一人で出かける。

【コースタイム】御池川林道駐車場(7:40) → 林道分岐(7:52) → ノタノ坂(8:15/8:20) → 送電線鉄塔(8:32) → イワカガミの尾根(9:20) → 土倉岳(9:35/9:45) → 御池岳テーブルランド上(10:05) → ボタンブチ(10:30) → 御池岳(10:58) → 奥ノ平(11:09) → 昼食(11:30/12:00) → T字尾根下降点(12:07) → 918ピーク(13:05) → 878ピーク(13:25) → 御池林道登山口(13:50) → 駐車場(14:02)
朝6時前に家を出て、宇賀渓から石槫トンネルを抜けて、滋賀県側のR421をしばらく走り、黄和田の集落で右折れし、愛知川の橋を渡って御池川林道に入る。
木地師の里「君ケ畑」の集落を通って、林道を30分以上走り、7:20頃駐車場に着く。
10台以上は駐車できそうな結構大きな駐車場がある。
生憎と現地の天候はやや曇り空である。
7:40、準備をして、小又谷林道のゲートを抜け、林道を15分ほど行く。
右手にたくさん標識があるところから右の谷にかかる赤い橋を渡り、ノタノ坂への登山道に入る。
ジメジメした谷沿いの道を20分ほど上がり、8:15標識の立つノタノ坂に出る。
このあたりの林は紅葉が始まりかけており、きれいに色づき始めている。
峠からも踏み跡ははっきりとついており、迷うことのない歩きやすい道が続いている。
峠から左に折れ茨川への道と別れ15分ほど登ると、送電線の鉄塔の建つ尾根上に出る。
ここで初めて御池岳や藤原岳が見え始める。
二つ目の鉄塔を越え、土倉岳に続く淡々とした尾根道を徐々に高度を上げて行く。
土倉岳に近づくにつれ尾根にはイワカガミの葉がビッシリと敷き詰められている。
春の花の咲く頃はさぞたくさんの花で埋め尽くされることであろう。
是非今度はその頃にまた来てみたいものである。
途中の河倉峠は分からず終いである。
9:35、雑木林の中の三頭三角点の立つ切り開かれた土倉岳山頂に着く。
じっとしていると寒いくらいの天候なのでヤッケを着て早々に御池岳を目指す。
しばらく行った展望のきくところからは藤原岳の天狗岩や頭陀ヶ平方面がよく見える。
開けた尾根を行き、眼前に立ちはだかる御池岳南面の壁のようになった斜面を喘ぎながら登る。
30分ほどでやっと御池岳のテーブルランドの一角に出る。
広い御池岳山頂台地はどこでも歩くことができるが、ひとたびガスに巻かれると方向を見失いそうである。
枯れた草原を北西に行き、10:40、ボタンブチの展望台に着く。
このあたりまで来ると、コグルミ谷の方から登って来た登山者と行き交うようになる。
展望台から望むと、紅葉の斜面がきれいである。
眼下にはこれから下りに使うT字尾根を見下ろすことができる。
ボタンブチから天狗鼻を通り、10:58、御池岳山頂に着く。
寒いので早々に退散し、奥ノ平を経て台地の端のT字尾根下降点探す。
この頃より時々雲の切れ間から青空も顔を出すようになる。
途中振り返るとボタンブチの大岩壁が聳えて見える。
ボタンブチの少し先のテープがついた下降点を見つけ、急な斜面を下りだす。
薄い踏み跡の非常に滑りやすい道を真っ逆さまに落ちるように下る。
やっと少し平らになった尾根上から紅葉したボタンブチの岸壁がよく見える。
徐々に尾根は痩せてきて、ロープの垂れ下がった岩場を抜けて967ピークへ出る。
しばらく痩せ尾根を行き、午後1時過ぎT字の付け根にあたる918ピークに出る。
ここで90度左に折れ、ブナが多い気持ちのいい林をゆったりと878ピークまで行く。
このあたりの紅葉も今が盛りである。
878ピークからは南西に延びる尾根を一気に250mほど下り、13:40御池川林道に飛び出す。
林道を15分ほど歩き、午後2時過ぎ駐車場に戻ってくる。
下界では少し寒いがいい天気であったらしいけれど、山の上は視界は効くけれども曇りがちの寒い日であった。
しかし、紅葉は今が盛りで、太陽が照っていれば素晴らしい紅葉がおがめたであろうが、少し残念である。
滋賀県川からの御池岳へは初めてであり、土倉岳も初めての山であった。
地図上には登山道はないが、土倉岳から御池岳への道、T字尾根上の道とも踏み跡はついており、地図とコンパスで確かめながら歩けば、ヤブコギもなく歩くことができる道である。
御池岳のテーブルランド上では他の登山者に遭ったが、土曜日だというのにそれ以外では一人の登山者とも会うこともなく、紅葉の進む林の中を静かな山旅ができた山行であった。
人の多い山は辟易である。
鈴鹿にはこの他にも地図には載っていないが魅力的なコースがたくさんあり、来年は少しこういったコースを開拓してみたいものである。
山遊人