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奥黒部:赤木沢遡行と薬師岳
2012/08/29(Wed)
 8月26(日)~28日(火)

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今年最後の夏山山行として、山仲間2人といっしょに北アルプス奥黒部の「赤木沢」の沢歩きと「薬師岳」に2泊3日の日程でテント山行をする。
今回の山行は、2年前に連れて行ってもらった赤木沢を”自分の力で歩くことができるかどうか”を確認するための山行でもある。
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8月26日(日)

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朝4時に集合して、東海北陸道、北陸道を走り、立山ICを出て有峰林道を走り、午前8時過ぎ登山口の折立に着く。
夏休み最後の日曜日のためか、道路沿いの駐車場は満車状態で、道路まで車があふれている。
奥の方の舗装されていない駐車場に何とか駐車する。
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準備をして、8:42折立ヒュッテ前の登山口から歩き始める。
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今回はテント山行で、しかも沢用具もあるため、荷物が15kgを越えてしまう。
愛知大学の遭難碑「十三重の塔」の前を過ぎ、いきなりの太郎坂の急坂を登り始める。
久し振りのテント山行で荷物の重さが肩に食い込みゆっくりのペースで登る。
2時間すこしかかり、10:50三角点のある休憩ベンチに着く。
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ガスがかかりはじめ、周囲の山は何も見えない。
しばら歩いて樹林帯を抜け、太郎平から広がる広い尾根道を登っていく。
下山してくる登山者がかなり多い。
ガスの湧く中を五光岩の展望休憩地を過ぎ、太郎平を目指す。
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5時間弱かかり、13:45やっと太郎小屋前に着く。
小屋前には小屋泊りの大勢の登山者が憩っている。
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太郎小屋前から北へ薬師峠のテント場を目指す。
木道の敷かれた道を下り、14:00薬師峠のテント場に着く。
10張りほどテントが張られており、我々も適当な場所を見つけてテントを張る。
ここのテント場は、水場も近く、トイレも清潔なので快適に過ごせそうである。
夕食までしばらくテントの中で憩っていると、突然夕立が襲ってくる。
1時間ほどで夕立も上がり、午後5時過ぎから準備をして、食事をする。
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風もなく思ったより寒くない。
夕方にはガスも切れ始め周囲の山々も見えてくる。
ゆっくりと夕食をとり、明日の赤木沢遡行の準備などをして、午後7時過ぎ就寝する。
夜中にトイレに起きると、満天の星がきらめき、明日の晴天が期待される。



8月27日(月)

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今日はいよいよ赤木沢遡行の日である。
朝4時前に起床し、朝食を食べ、沢靴などの沢用品をサブザックに詰め、5:00に出発する。
太郎平に登ると周囲の山々がシルエットで浮かび上がってくる。
天気はよさそうである。
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太郎平から薬師沢に向けて急な道を下る。
黒部五郎岳や北ノ俣岳に朝日が当たり始める。
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薬師沢に下り、沢沿いの平坦な木道の道を行くとカベッケヶ原という気持ちのいい草原に出る。
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7:10薬師沢と黒部川本流の出会いに立つ薬師沢小屋に着く。
小屋前のテラスで沢靴に履き替え、ヘルメットをかぶり沢歩きの準備をする。
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午前7時半、小屋から梯子を下り、いよいよ黒部川に下りたち、沢歩きが始まる。
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このあたりは黒部川の源流に近く、そんなに川幅は広くないが、1、2か所ゴルジュになったところをヘツリながら上流を目指す。
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8:45黒部川本流がナメ滝状になった(ミニナイアガラの滝と呼ばれている)ところで、右手から赤木沢が流れ込んでいる。
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左岸を少しヘツりいよいよ赤木沢に入る。
すぐに赤木沢特有の赤いナメ滝が現れる。
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明るくきれいな赤木沢に、一緒に行った仲間から思わず感嘆の声があがる。
次々に素晴らしい滝が現れ、その上を気持ちよく歩いていく。
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滝の上からみる澄んだ水が美しい。
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ところどころ高巻きしたり、直接滝を登りながら赤木沢大滝を目指す。
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11:00赤木沢最大の滝、「赤木沢大滝」の下に到着する。
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滝の下で早めの昼食を食べる。
昼食後、大滝を越えるため左岸の垂直に近いガケを木につかまりながらよじ登り、滝上に出る。
滝上からは青い空に水晶岳がくっきりと見える。
ここからは、稜線下の草付き斜面へ突き上げる支流に入るため、地図と睨み合わせて合流点を間違わないように注意する。
この沢の合流点は2mほどの滝状になっており、うっかりすると見落としやすい。
前回の経験で、滝から2つ目の沢へ入らなければならないことを事前研究していたので、間違えずに入ることができる。
次第に細くなっていく沢を詰めていくと、だんだんと稜線が近づいてくる。
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ついに12時過ぎ沢の水がなくるも、ガレた沢を忠実に詰め、12:50赤木岳のコル下の草付きに飛び出す。
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何とか間違えずに草付きに出られホッと一息。
間違うとハイマツのブッシュに突入してしまい難渋するそうである。
途中他のパーティーの誰とも出会うことがなかった。
ここで沢靴を脱ぎ、登山の服装に着替える。
ややガスが出始めたが、水晶岳から鷲羽岳方面がガスの中から時々顔をのぞかせる。
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5時間にわたる楽しい沢歩きを終え、赤木岳の稜線に上がり、帰路に着く。
北ノ俣岳山頂から辿ってきた道を振り返る。
赤木平に陽が当たり、背後の裏銀方面の山も見える。
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北ノ俣岳を下り、太郎山を越へ、太郎小屋から薬師峠のテント場に午後4時頃帰り着く。
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朝から11時間近くの歩きに少々披露気味で、思わずテントの中で少し寝入ってしまう。
今日は夕方からの雨も降らず、午後5時過ぎから夕食の準備をし、楽しかった一日を振り返る。
今日も疲れて午後7時前にはシュラフに潜り込み就寝する。



8月28日(火)

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いよいよ最終日になり、薬師岳に登った後帰宅する日である。
やや薄雲が出ているが、今日もまずまず天気はよさそうである。
朝4時に起床して朝食を食べ、テントはそのままにして5:00薬師岳に向けて身軽な荷物で出発する。
テント場からすぐ急な登りの大きな石がゴロゴロした沢状の道を登る。
30分ほどで視界が開けた薬師平という平坦地に出る。
コバイケイソウやチングルマなどのお花畑で、もう少し早いときれいなところである。
ここからは槍ヶ岳の鋭鋒が遠くによく見えている。
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ここから薬師岳主稜線と東南稜に囲まれた開けた所に出る。
上の方には遭難碑が立っているのがよくわかる。
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斜面をひと登りして、主稜線上に出る。
昨日行った黒部五郎岳方面や西には白山連峰が雲の上に浮かんでいる。
稜線を10分ほど歩いて、6:14、2年前に建て替わったばかりの綺麗な薬師岳小屋に出る。
ここから岩クズの中をジグザグに付けられた急斜面を登る。
登る途中からは太郎平方面がよく見える。
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登りきると、遭難碑の建つ東南稜分岐に出る。
愛知大学生13人が吹雪の中を東南陵に迷い込み、大量遭難をしたところである。
すぐ先には薬師岳本峰がすぐ近くに見える。
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15分ほど歩き午前7時過ぎ祠と三角点の建つ薬師岳山頂に立つ。
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山頂からは360度の大展望が広がる。
北には立山、剱岳、北東には白馬から五竜岳、鹿島槍方面、すぐ東には大きな赤牛岳から水晶岳、その後ろにはうっすらと富士山も頭を出している。
更に南東には槍ヶ岳から穂高岳、乗鞍岳、御嶽山と飽きることのない大展望が広がる。
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眼下には薬師岳カールが大きく湾曲している。
ゆっくりと眺望を楽しみ7時半前下山にかかる。
下に赤い屋根の薬師岳小屋を見ながら下山する。
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駆け足で下山し、8:45テント場に下りてくる。
テントを撤収して午前10時前下山にかかる。
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太郎小屋前では、ガスがかかり始めた最後の薬師岳を目に焼き付けて下山を開始する。
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下りに入る頃にはガスが一面に湧き上がり、まったく展望はきかない。
沢用具などがまだ濡れており、あまり軽くならないザックを背負って登ってきた道を下山し、13:45折立の登山口にやっと下り立つ。
有峰林道出口の温泉で3日間の汗を流し、午後8時名古屋に帰り着く。



今回の山行は、久しぶりのテント山行で思ったよりハードな山行であった。
2年前に行った赤木沢の素晴らしさを山仲間にも体験してもらいたいと、鈴鹿の愛知川などで事前にトレーニングを積んで出かけたが、期待に違わない赤木沢の景観に二人とも満足そうであった。
今年の夏山の予定もほぼ終わったが、天候に恵まれ、いずれの山行も思い出深いものになった。

                         山遊人

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頑張って登った烏帽子岳
2012/08/23(Thu)
 8月22日(水)

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所属する会で行っている登山教室で、中央アルプス南部の「烏帽子岳」に山行する。
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まだまだ残暑の暑い日が続く中、12名の受講生の参加と5名の指導者、合わせて計17名で、朝7時にマイクロバスで出発する。
今日の山行は、登山教室の山行としてはかなりハードなものであり、不安と期待を抱きながらの参加である。
晴れの予報であったが、途中雨に降られ心配したが、伊那地方は晴れておりホッとする。
中央道の松川ICを出て、少し林道を走り9:00鳩打峠の登山口に着く。
9:20、準備をして登山口からまずは小八郎岳を目指す。
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ここの登山道には1から10までの番号がふってあり、歩く目安になる。
ササユリの保護区を抜け、尾根上の道を1時間ほど登り、10:15東屋の建つ小八郎岳山頂に着く。
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目指す烏帽子岳や南アルプス方面には雲がかかり、見ることができない。
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山頂にはマツムシソウが少し咲いている。
休憩をしたのち、カラマツ林の中の緩やかな登りの道を行き、左側に烏帽子岳が見渡せるところに出る。
しかし、烏帽子岳山頂にはガスがかかり見ることが出来ない。
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徐々にきつくなる笹の繁る登山道を登り、12時過ぎ飯島道との分岐に出て休憩する。
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少し休憩した後左に折れて、段々ときつくなる尾根の道を行く。
ツガなどの原生林の道を登るにつれ傾斜はますます増してくる。
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途中では左手の谷が大きく崩壊したナギと言われるところも通過する。
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午後1時半前、やっと頭上に烏帽子岩を仰ぎ見ることができる。
烏帽子岩との鞍部へはロープや針金にすがって急坂を必至で登る。
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烏帽子岩を右にして最後の岩の道を登り、13:50やっと狭い烏帽子岳山頂に立つ。
4時間半の辛い登りをこなし登頂することが出来、参加者の中に思わず万歳が湧き上がる。
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目の前に見える中央アルプスの稜線が、ときどきガスの切れ間から顔を覘かせる。
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下の方の伊那谷はよく晴れているが、南アルプスは雲の中である。
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山頂で記念撮影をする。
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山頂を制覇した余韻をあとに烏帽子岩の横を通り、、午後2時過ぎ下山にかかる。
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だんだんと天気も良くなり、急坂の上からは下の方に片桐ダムも見えている。
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下りの道も長く、疲れからくる転倒などの事故に気を付けながらひたすら下る。
天気がよくなり、途中の眺望が効くところからは登ってきた烏帽子岳が高くそびえているのが見える。
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3時間近くかかり、17:05やっとバスの待つ鳩打峠に下りてくる。
近くの日帰り温泉で疲れた身体の汗を流し午後8時過ぎ名古屋に帰ってくる。



今日の烏帽子岳山行は、事前にかなりきつい山行になることを言っていたため、参加された皆さんこの夏の間に各自でそれに備えたトレーニングなどを行なっておられ、その成果もあり、少し時間はかかったが無事登頂することができた。
今日の山行は、これからの山行に大いに自信となることは間違いない。
今後ともいろいろな山行を重ね、安全で楽しい登山を続けて行ってほしいと願っている。
今回の山行をご指導いただいたリーダーはじめ指導員の皆さんに感謝をいたします。

                                山遊人

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大雪渓を登り白馬三山から不帰嶮縦走
2012/08/21(Tue)
8月19日(日)~20日(月)

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山仲間と二人、北アルプスの白馬三山から不帰嶮を縦走する1泊2日の山行に出かける。
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8月19日(日)

天気が悪く延期していた山行だったが、やっと晴天が期待できそうなので実施する。
白馬は学生の時以来である。
朝1時に集合し、中央道豊科ICで降り、R158線を走って、午前4時半過ぎ白馬に着き、八方第2駐車場に駐車して、タクシーで猿倉まで上がる。
準備をして5:10白馬尻に向けて出発する。
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途中の林道からは朝日が白馬の峰々に当たり赤く焼けてきれいに見える。
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林道終点から登山道に入り、6:00白馬尻の小屋に到着する。
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小屋前の広場はすでにツアーの登山者などで賑わっている。
軽い朝食を食べて休憩をした後、しばらく林間の道を歩き、6:45大雪渓の取っ付きに出る。
今年は雪が多かったということで、まだ雪渓には雪が結構残っている。
軽アイゼンを着けて雪渓歩きが始まる。
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50分ほどの雪渓歩きで岩場に出る。
下を振り返ると雪渓上にはすでに多くの登山者の列が続いている。
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そこからは雪渓横のきつい勾配になった道を行き、岩室跡を通り、8時前に葱平に着く。
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この辺りはまだお花畑がきれいである。
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9時過ぎ小さな避難小屋を過ぎると、稜線上に白馬山荘が小さく見えてくる。
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このあたりのお花畑は色とりどりのお花がゆく夏を惜しむかのように咲き乱れている。
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5時間近くかかって10:00やっと稜線直下に建つ村営頂上小屋前に出る。
このころより雪渓からガスが段々と上がり、杓子岳方面にもガスがかかり始める。
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稜線まで出て、荷物を置いて空身で白馬山頂を目指す。
途中の白馬山荘を経て、10:50大勢の登山者で賑わう白馬岳山頂に立つ。
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残念ながらガスがかかり、展望はほとんどきかない。
少し休憩した後、ザックを置いたところまで戻り、縦走路を南に杓子岳を目指す。
途中見下ろす小屋裏のテント場にはまだあまりテントは張られていない。
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杓子岳は巻き道を通らず、山頂を目指すも、登りにかかる頃より雨が降り出し、段々と強くなるのでカッパを着る。
12:40雨で何も見えない杓子岳山頂に着く。
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杓子岳を早々に下山し、白馬三山最後の白馬鑓ヶ岳を目指す。
いったん大きく下って、また登り返し、13:55白馬鑓ヶ岳山頂に立つ。
雨脚がひどくなり早々に下山する。
午後2時半過ぎ眼下に今日の宿泊地の天狗山荘が見えてくる。
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この辺りはコマクサなどのお花がきれいである。
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14:40やっと小屋に着き、宿泊を申し込む。
割合きれいな小屋でトイレや洗面所も清潔そうである。
2段ベッドの部屋で、もう一組の夫婦連れの登山者と一緒である。
お盆の休みも過ぎ、宿泊客は20人前後と空いている。
このころよりガスも切れかかり、夕食までの時間小屋の外に出てみる。
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目の前には越えてきた白馬鑓ヶ岳が午後の日を浴びてガスの切れ間から顔を覘かせる。
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17:30夕食を食べ、午後7時過ぎには明日のために布団に潜り込む。
寝ていると雨音が聞こえてきて、明日の天気が心配である。



8月20日(月)

朝4時過ぎに目覚め、外を覗くと星も出ており晴天になりそうである。
4:55不帰嶮に向けて、小屋をあとにする。
5時ごろ西の空が明るみ始め。剱岳、立山方面が見えてくる。
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5:05東の雲海の海から今日一番の朝日が昇り始める。
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5:20天狗の頭の上で夜明けを迎える。
剱岳、立山連峰が赤く焼け素晴らしい夜明けの景色である。
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南にはこれから向かう不帰嶮の後ろに、五竜岳、その後ろには鹿島槍ヶ岳が赤く焼けて聳えている。
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更に遠くには槍ヶ岳から穂高連峰もはっきりと見ることが出来る。
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遠くにはうっすらと雲海の上に富士山も頭を出している。
しばらく歩いたのち、キレットへ向けてのいわゆる「天狗の大下り」の300mほどの急降下が始まる。
2、3か所長い鎖場を下って行く。
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6時過ぎキレットの底に降り立ち、ここから不帰1峰へ登る。
このころより早くもガスが湧き始める。
6:48、1峰を通過して少し下り、ガスの切れ間から今日最大の岩場である不帰2峰北峰の垂直の壁が見える。
ほぼ垂直に切れ落ちた岩場を鎖やハシゴを頼りに慎重に登る。
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何回か岩場を乗り越え、7:39やっと2峰の北峰上に立つ。
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ちょうどガスが切れ、剱岳が雲間に浮かんでいるのが見える。IMG_1021.jpg 

更に歩みを進め、南峰に登る。
南峰からは唐松岳が間近かである。
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さらに不帰1峰を目指してピークを越えていくが、1峰の道標は知らずに通過してしまう。
8:50唐松岳山頂に立つ。
来し方を振り返ると、歩いてきた稜線がアップダウンを繰り返して連なっている。
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眼下には唐松山荘が見えている。
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小屋から唐松岳を振り仰ぐ。
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白馬三山から不帰嶮を経て唐松岳までの縦走を終え、9:30山荘裏手から八方尾根の下山にかかる。
途中からはたくさんの登山者やハイカーが登ってきて、すれ違うのが大変である。
丸山ケルンを経て、11:00多くのハイカーや観光客で賑わう八方池に着く。
残念ながらガスがかかり、池に移る白馬三山や不帰嶮は見ることが出来ない。
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黒菱平まで歩き、リフトとゴンドラを乗り継ぎ、12時過ぎ八方の町に降りてくる。
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駐車場横の日帰り温泉で2日間の汗を流し、八方の町中で昼食を食べた後帰路につき、午後7時過ぎ名古屋へ帰り着く。



今回は久し振りの白馬山行であったが、まあまあの天気に恵まれて楽しい山行ができた。
やや強行軍の日程であったが、お盆の休みも過ぎ、夏の終わりの比較的静かな山旅ができた。
雪渓歩きや不帰嶮の縦走と変化に富んだ行程で、白馬は初めてという同行した山仲間にとっても楽しめた山行であったのではないかと思う。

                                 山遊人
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槍・穂高の大展望:笠ヶ岳
2012/08/12(Sun)
 8月9日(木)~11日(土)

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恒例になっている夏山山行で、山仲間7人と一緒に2泊3日の日程で、盛夏の北アルプス笠ヶ岳へ山行する。
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8月9日(木)

天気予報では今日と明日は晴天が続きそうである。
10人乗りレンタカーで6:40名古屋を出発する。
東海北陸道を走り、高山から平湯を抜け、9:50新穂高の駐車場に到着する。
準備を済ませ、10時過ぎ今日の宿泊地「鏡平山荘」に向けて出発する。
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バスターミナル横の蒲田川の橋を渡り、左俣沿いの林道を行く。
行く手には笠ヶ岳方面の山がよく見渡せる。
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11:20笠新道登山口に着く。
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そこからしばらく歩いて11:35ワサビ平小屋に着き、ここでしばらく休憩をする。
冷やしたトマトをおいしそうにほおばっている仲間もいる。
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更に小屋から1時間ほど歩き、秩父沢への登山道に入る。
ゴロゴロした岩の道を上がり、13:15秩父沢にかけられた橋を渡り休憩する。
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徐々に急になるダケカンバの繁る道を上り、イタドリヶ原を通って14:45シシウドヶ原に着く。
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このころよりややガスが上り始め、槍穂高連峰はガスの中である。
最後の急になった谷道を上り午後3時半前やっと鏡池に着く。
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すぐに鏡平山荘で受付を済ませる。
部屋は2段ベッドで、我々のグループだけで上段を使うことが出来ゆったりと寝られそうである。
夕食を食べている頃から槍穂高方面のガスが切れ、槍ヶ岳から穂高連峰にかけての稜線が顔を出し始める。
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夕食を食べた後、槍穂高の夕焼けを見に鏡池に行く。
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眺めていると連峰に夕日が当たり、刻一刻と赤みが増して来る。
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鏡池の湖面に赤く染まった槍の穂先がくっきりと映り、感動的な風景が現れる。
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ここには数度来ているが、このような素晴らしい槍穂高連峰の夕焼けは初めてである。
午後7時近くまで夕焼けに染まる景色を眺めている。
暗くなり部屋に戻り、明日に備えて早めの午後8時前には就寝する。



8月10日(金)

朝4時前に起床する。
外はまだ明けやらぬ槍穂高連峰が薄明かりの中シルエットで浮かび上がっている。
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4:30に朝食を食べ、5:10山荘をあとにする。
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まだ明けきらぬ中を弓折岳の稜線に向けて登って行く。
振り返れば徐々に白み始める中、槍ヶ岳の左肩の空が白み始める。
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徐々に登っていくと、昨日泊まった鏡池や鏡平山荘が下の方に小さく見える。
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6:10弓折乗越の稜線に出る。
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ここから稜線の道を左に折れ、笠ヶ岳を目指す。
左手には穂高連峰も徐々に姿を現す。
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朝の澄んだ空気の中気持ちのいい稜線歩きを続け、6:18弓折岳山頂に着く。
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ここから少し下って大ノマ岳を目指す。 
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たおやかな稜線の道の稜線漫歩が続く。
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大ノマ岳にかけてのお花畑には色とりどりの夏の高山植物が咲いている。
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秩父平を目指して気持ちのいい歩きが続く。
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カールの底の秩父平からは北に薬師岳の雄姿が姿を現す。
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稜線に向けて残雪の残るカールを登って行く。
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稜線に出るとガスが切れて笠ヶ岳が完全に姿を現す。
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少し登って抜戸岳に出る。
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大きな門のような抜戸岩を抜けると笠ヶ岳が近くなる。
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ここを抜け、急坂を登ると笠ヶ岳山荘が間近に見えてくる。
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雪田を渡り、テント場を過ぎ、11:30やっと笠ヶ岳山荘に着く。
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予定より早く着いたので山荘前でゆっくりと休憩し、名物のスイカを食べる。
乾いたノドに皆おいしそうで、槍ヶ岳をバックに満面の笑顔である。
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ゆっくりと休んだのち、12:00空身で笠ヶ岳山頂を目指す。
15分ほどで祠の建つ笠ヶ岳山頂に出る。
笠ヶ岳開山の祖播隆上人をしのび拝礼して手を合わせる。
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山頂で槍穂高をバックに全員で記念撮影をする。
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苦労して登ってきて、中には感極まり感涙にむせぶ人もいる。
ゆっくりと景色を堪能した後下山にかかる。
今日の小屋は比較的空いているようで、8畳ほどの部屋を我々だけで独占出来る。
夕食までの時間山談義などでゆったりと過ごす。
外はすっかりとガスに閉ざされ、今日は夕焼けを見ることが出来ない。
夕食後7時過ぎには布団を敷き早めに就寝する。



8月11日(土)

午前4時に起床して外を覗くと一面のガスが立ち込めている。
朝食を済ませ、5:50小屋をあとに下山の途につく。
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ガスで何も見えない稜線を歩いていくと、徐々にガスが切れ始め右下に杓子平のカールが見えてくる。
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7:00抜戸岳手前の笠新道分岐に着く。
右にひと登りして杓子平のカールめがけて下っていく。
ガスが段々と切れ始め、前方の穂高連峰も顔を覘かせるようになる。
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途中ではツアーの団体か大勢の登山客が休んでいる。
杓子平のカールはお花畑が広がり気持ちのいいところである。
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7:50杓子平を過ぎ、いよいよ急坂を下り始める。
お花畑やダケカンバの林を下り、途中展望のきくところからは目の前に槍穂高のパノラマが広がる。
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いやになるほどのジグザグを繰り返し、10:30やっと笠新道入口の林道に飛び出す。
3日間の行程をほぼ終わり皆満足そうな顔で、思わず万歳の声があがる。
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1時間ほど林道を歩き、小雨がぱらつき始めた中を11:30新穂高に戻る。
すぐ近くの日帰り温泉で汗を流し、昼食を摂る。
東海北陸道を走り、お盆の帰省ラッシュで渋滞する一宮ICを過ぎ17:30名古屋に帰ってくる。



3日間とも天気に恵まれ、夕焼けに染まる槍穂高連峰が映る鑑池、笠ヶ岳山頂からの大展望など夏山の醍醐味を満喫できた山行であった。
笠ヶ岳は北アルプスの中でも独立した山でなかなか行くことができなかったが、やっと念願がかなった山行であった。
何より事故もなく参加された皆さんが全員元気に歩き通すことができたのがいちばんよかった。
また来年の夏もこの仲間でどこかへ行くことを誓い散会した。



出会った花たち

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                              山遊人
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意外に手ごわい三周ヶ岳
2012/08/08(Wed)
 8月7日(火)

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登山教室の受講生の方々4人と越美山地の「夜叉ヶ池」と「三周ヶ岳」へ山行する。
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夏空の晴天が期待される一日、朝7時前に集合して、名神、北陸道を走る。
木之本ICからR303を走り、坂内村から池ノ又林道をさかのぼり林道終点の駐車場に午前9時前に着く。
広い駐車場には先行者の車が一台停まっているだけである。
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準備、ストレッチをして9:10夜叉ヶ池に向け出発する。
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沢を2、3回横切り、ジグザグ道を少し登り、山腹の水平道に取り付く。
このあたりの道はブナの林が夏の強い日差しを遮って心地よい。
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30分ほど歩くと、谷の奥に「夜叉壁」が見えてくる。
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水場を過ぎ、10:05「幽玄ノ滝」に出る。
やや水量が少ないが、涼しげな水が流れ落ちている。
若返りの水という夜叉姫の御利益にあずかれるよう皆滝の水を浴びる。
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谷を渡り右岸山腹からは「昇竜の滝」を落として夜叉壁が眼前に迫る。
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この辺りにはピンクのシモツケソウやシシウドがたくさん咲いている。
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少し先から稜線までは岩場の登りが続く。
クサリやロープにつかまりながら急斜面を登っていく。
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10:50三周ヶ岳への稜線に出て、反対側へ少し下り夜叉ヶ池湖畔に出る。
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以前にはなかった立派な桟橋が出来ている。
他に誰もいない湖畔の桟橋で、静かな湖面を見ながらしばらく休憩する。
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再度稜線に登り返し、道を北に三周ヶ岳を目指す。
すぐ上の稜線から振り返ると、ひっそりと静まり返り碧い水をたたえた夜叉ヶ池が俯瞰される。
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その先の大岩の岩場を越えるあたりからは笹と灌木の手強いブッシュの道が続き、先には目的の三周ヶ岳が聳えている。
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ちょうど12時に小広場のあるピークに着き、ここで昼食を摂る。
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昼食後はますます厳しくなる背丈を越えるようなブッシュをかき分けながらの登りが続く。
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13:10やっと一等三角点の建つ三周ヶ岳山頂に出る。
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狭い山頂には標識がまったくない。
山頂からは能郷白山方面や伊吹山などを望まれる。

少し休んだ後、もと来た道を引き返す。
下りもブッシュに手こずり予想外に時間がかかる。
夜叉ヶ池に出て、また岩場を注意しながら下山する。
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夜叉壁が夕方の日を浴びてまた違った表情を見せている。
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下山も予想外に時間がかかり、午後4時半ようやく登山口の駐車場に下りてくる。



今回は教室の皆さんにとっては、岩場の登り方ややぶ漕ぎの仕方など新しい体験もできた山行であったと思う。
特に今回体験したようなやぶ漕ぎは、これからいろいろな山へ行かれると必ず必要となる登山技術である。
こういった機会を利用してマスターしていただきたいと思う。
朝9時過ぎから夕方4時半まで、参加された皆さん全員頑張って歩き通すことが出来、自信がついた山行であったことを期待したい。 

                                山遊人
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