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白山連峰の孤峰:別山
2011/08/15(Mon)
8月14日(日)

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お盆の休みに入った夏空が期待できる一日、以前から行ってみたいと思っていた白山連峰の別山と三ノ峰に、山仲間と日帰りで出かける。

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朝3時に名古屋を出発し、東海北陸道白鳥ICから西へ158号を走り、勝原で「鳩ヶ湯」への林道を20キロ奥へ入り、終点の「上小池」駐車場へ5時半ごろに着く。
20台くらいは停めれそうな駐車場には2台しか停まっていない。
近くに秋の紅葉の風景で有名な「刈込池」があるからか、ここの駐車場には立派なトイレも整備されている。
青空の絶好の登山日和である。
予定ではできれば別山まで行くつもりだが、30分ほど遅れてしまたので行けれるか心配である。
5:40準備をして登山口より歩き始める。
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5分ほどで林道に出て、刈込池への散策路を右に分け、15分ほど林道を進むと山屋敷跡というところから三ノ峰への登山道に取り付く。
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六本檜のある稜線まで500mの登りである。
最初からいきなりの急登で尾根に取り付き、途中やや緩やかになったブナの林を抜け、最後に再び急登して7:10大きな檜が祀ってある六本檜という稜線上に着く。
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ここからは東に銚子ヶ峰方面が見える。
尾根道を右に曲がって少し登ると、これから行く三ノ峰方面が朝の陽を受けて逆光に霞んで見える。
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しばらくで展望が開けた快適な尾根道に出ると、道の両側にはシモツケソウやハクサンフウロなどのたくさんの花が咲いている。
その上をアキアカネがたくさん飛び交っている。
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少し急登して8:00剣ヶ岩という展望地に出る。
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更に登ると北の方に別山から白山方面が望めるようになる。
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主稜線までの最後の急登をこなししばらくで、9:15三ノ峰避難小屋に出る。 
ここの避難小屋はあたらしく立派なもので、15人ほどは泊まれそうで、トイレも整備されている。
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小屋からササの繁る主稜線を北へ6,7分登り、9:30三ノ峰山頂に立つ。
すぐ北に大きくどっしりと別山が聳え、その後ろには白山が少し雪を残して佇んでいる。
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予定より早く登ることができ、まだ時間も早いので別山まで行くことにする。
少し休んだ後北へ2つほど小ピークを越え、ササが生い茂り、足元の見えにくい道を下って別山との鞍部に着く。
このあたりには盛期は過ぎたが、まだニッコウキスゲが少し咲いている。 
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ここから少し登ると「別山平」という平坦地に出る。
ここは今は水がかれているが「御手洗池」という池もあり、7月の盛期にはニッコウキスゲなどの高山植物が一面に咲く別天地である。
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やはりこのころからガスが上りだし、別山の山頂を隠し始める。
別山平から150mほど最後の急坂を登って、11時半前やっと別山頂上に立つ。
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山頂には5,6人登山者が憩っている。
白山に比べるとここまでくる登山者は非常に少ない。
残念ながらガスがかかり、時々白山が姿を現す程度である。
すぐ下には別山神社の祠も建っている。
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山頂で昼食を摂り、しばしの休息をする。
山頂で会った若い登山者は、今朝早く石徹白から銚子ヶ峰、一ノ峰、二ノ峰を越えて登って来て、これからまた同じ道を下山するそうである。
往復23キロ近くを歩くという健脚者である。
我々も11:50下山にかかる。
下りではお花畑の花々を見る余裕も出てくる。
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避難小屋からは、同じ道をかなり飛ばして下り、15:30上小池の駐車場に戻ってくる。
途中の日帰り温泉で汗を流し、午後7時過ぎ名古屋に帰り着く。


今日の山行は別山山頂まで標高差1500mほどあり、コースタイムで10時間、往復20㎞というかなりハードな山行であった。
下ってから万歩計を見てみると36,000歩ほど歩いていた。
山頂でガスがかかり、北アルプスや御嶽方面を見ることができなかったのが少し残念であった。
しかし、白山までは来ても別山方面まで足を延ばす登山者は非常に少なく、夏山の喧噪に出会うこともなく、静かで充実した山行ができた。

                           山遊人
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後立山の盟主:盛夏の鹿島槍ヶ岳
2011/08/08(Mon)
8月5日(金)~7日(日)

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山の会の仲間と6人と、恒例になった夏山山行で、後立山連峰の鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳に2泊3日の予定で山行する。

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【コースタイム】
 
 8/5 扇沢駐車場(10:50) → 柏原新道登山口(11:05) → ケルン(12:10/12:25) → 種池山荘(15:07)  
 8/6 種池山荘(6:20) → 爺ヶ岳南峰(7:05/7:10) → 冷池山荘(8:40/9:00) → 布引山(10:10/10/20) →  鹿島槍ヶ岳南峰(11:10/11:30) → 北峰手前 → 鹿島槍ヶ岳(12:30/12:35) → 冷池山荘(14:07)
 8/7 冷池山荘(5:30) → 爺ヶ岳(6:57/7:15) → 種池山荘(8:04/8:25) → ケルン(10:10) → 登山口(11:03)  → 扇沢駐車場(11:26)



8月5日(金)

午前6時半に集合して、車で中央道を走り、豊科ICから大町を通り、10時半に扇沢駐車場に着く。
夏山最盛期のためか駐車場は超満車で、係員に誘導されて登山口から随分と離れた場所に駐車する。
天気は薄曇りで、稜線のあたりはガスに隠れて見ることができない。
15分ほど車道を歩いて戻り、柏原新道登山口を11:05に出発する。
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すぐにモミジ坂と名付けられた急登を登りだす。
登るにつれ樹間越しに扇沢の駐車場が下の方に小さくなる。
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1時間少しで大きなケルンの積まれた休憩地に着く。
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ここからは道は少し緩やかになり爺ヶ岳の山腹を巻くように徐々に高度を上げていく。
石畳の敷かれた道や水平道と書かれた平坦な道などよく整備された道を行く。
このような歩きやすい整備された道を一人で切り開かれた種池小屋のご主人の柏原さんの努力には敬意を表する。
この道が出来たおかげで鹿島槍ヶ岳にどのくらい登りやすくなったかはかり知れない。
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3時間半ほどでガラ場という崩壊地を抜け、最後の急坂を登ると、赤い三角屋根の種池山荘がうっすらとガスの中に姿を現す。
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4時間ほどの登りで、15:07やっと種池山荘に着く。
予想通り山荘は大変混んでおり、我々の部屋は8畳に12名が寝ることになる。
少し休んだ後夕食を摂り、午後8時過ぎには早々に就寝に着く。
夜中に起きてみると、少し星が出ており、明日の晴天が期待される。



8月6日(土)

午前4時半ごろ起床をして、外に出てみるとガスは下がっており、周囲の山々が日の出を前にピンク色に染まりだす。
すぐ北には今日登る爺ヶ岳から鹿島槍方面がシルエットで浮かんでいる。
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東には遠く富士山も雲の上に少し頭を覗かせている。
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西には立山連峰が朝日を浴びて徐々に茜色に染まってくる。
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小屋の前で朝のすがすがしい空気をいっぱいに吸い、今日の山行に備える。
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午前6時前から朝食を食べ、6:20準備を済ませて山荘を出発する。
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雲海の上に浮かぶ富士山を見ながらお花畑の広がる道を爺ヶ岳に向けて登っていく。
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山荘のあたりは、チングルマやミヤマキンポウゲなどのお花畑が一面に広がって素晴らしい。
7時を過ぎるころから早くもガスが出始める。
ガスの中にライチョウが姿を現し、やはり今日はあまり晴天が続かないようである。
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爺ヶ岳への途中で鹿島槍の中腹に大きな雲がかかり始める。
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緩やかな斜面を登り、7時過ぎ爺ヶ岳南峰に出る。
ガスが出始め展望があまりきかない。
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更に20分ほど歩いて爺ヶ岳最高点の三角点の建つ中峰に立つ。
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北峰は巻いて通り、眼下に見える冷池山荘を目指す。 
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赤岩尾根の分岐する冷乗越を過ぎ、最低鞍部から少し登り、8:40樹林帯の中に立つ冷池山荘に着く。
宿泊手続きを済ませ、山荘に余分な荷物を預かってもらって、軽装で鹿島槍ヶ岳を目指す。
少し上のテント場を過ぎたあたりは、一面のお花畑である。
布引山を越し、鹿島槍へ登りだす頃より雨が少し強く降り出したのでカッパを着る。
岩屑のジグザグの急坂道を登って、11:10雨とガスで何も見えない鹿島槍南峰に着く。
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昼食を食べて休憩をした後、空身で鹿島槍北峰へ行くことにする。
雨で濡れた岩場の道を細心の注意で下り、少し上り返して北峰まで後10分ほどの所で大きく雷鳴がとどろく。
これ以上行くことは危険であると判断し、残念ながらそこから引き返す。
(後でニュースで知ったが、北峰の少しキレット寄りの岩場で1日前に滑落事故があり、一人亡くなったらしい)
12:30南峰に引き返し、早々に小屋に向けて下山する。
1時間半ほど歩いて14時過ぎ冷池山荘に帰ってくる。

雨が降り続き、雨に濡れた登山者が夕食過ぎまで続々と入ってくる。
今日も8畳の部屋に12人とすし詰め状態である。
相部屋となった5人のパーティと夕食まで語らいながら時間を過ごす。
ここの山荘は割合新しいのでトイレなどが清潔である。
夕食の時に見たパジャマを着た二人連れの男性や、街ではくようなスカートを着た女性など山のファッションの変化に我々一同皆唖然とさせられる。
今日も疲れがたまり、8時過ぎには皆就寝につく。



8月7日(日)

今日は下山の日である。
朝4時ごろから目が覚め、薄明るくなりかけた外に出てみると、日の出は見れなかったが、目の前には鹿島槍が双耳峰の端正な姿を見せている。
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幾重にも重なった雲海の波が墨絵で描いた絵のようである。
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5時に朝食を済ませ、5:30朝日のさす山荘を後にする。
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冷乗越を過ぎるころには西に立山連峰や剱岳が朝日を受けてくっきりと見える。
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後を振り返ると小屋の後ろに昨日登った鹿島槍もよく見える。
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ひと登りをして再び爺ヶ岳中峰に着くころには早くもガスがかかり始める。
ガスの切れ目から槍ヶ岳や穂高岳も見ることができる。
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正面の立山連峰やお花などを楽しみながら爺ヶ岳南斜面を下る。
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昨日泊まった種池山荘に8時過ぎに着く。
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のんびりとコーヒーを味わいながら最後の稜線からの景色を堪能する。
目の前には先日行った針ノ木岳が針ノ木雪渓を落として高くそびえている。
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ゆっくりと休んで、1日目に登ってきた柏原新道を下り始める。
行きに通ったガラ場の斜面を通り、登山口まで1100mを下る。
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日曜日のため多くの登って来る登山者とすれ違いながら、11時過ぎ登山口に着く。
駐車場まで戻り、大町の日帰り温泉で3日間の汗を流し、午後5時半に無事名古屋に帰り着く。



【出会った花たち】

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依然としてはっきりしない天候の中での夏山山行であった。
3日間とも午前中の早い時間帯は晴れて、展望がよくきいたが、午前中の早いうちにはガスが上がり始めてしまう。
やはり今年の夏山の天気はまだまだ安定しない。
今回も2日目の鹿島槍では雨にもたたられやや残念な山行であった。
しかし、時々ガスが晴れてかいま見せてくれる鹿島槍の雄姿や周辺の山々の姿に夏山を堪能できた山行であった。

                 
                         山遊人
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霧の中に浮かぶコマクサの大群落:八ヶ岳
2011/08/02(Tue)
8月1日(月)

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8月に入ったが、7月中旬の台風の通過後、戻り梅雨のような不順な天候が続き、7月後半に行く予定であった北アルプス山行が中止になってしまった。
夏山の一番いい時期なので残念である。
いつもの山の仲間と、急きょコマクサの群落を見に八ヶ岳へ日帰りで出かける。
以前にも一度歩いたことがあるが、一日で硫黄岳、横岳、赤岳と南八ヶ岳の主稜線を縦走する予定である。

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天気予報では、一日中曇りの予報であるが、何とか持ってくれることを期待して、朝4時半に名古屋を出発し、中央道を走り、諏訪南ICを出て、午前7時半前に美濃戸口に着く。
平日なので奥の美濃戸の駐車場も空いていると予想し、林道を走るも、相変わらずのダートな道で、1,2回腹をこすってしまう。
美濃戸の駐車場には、20台くらい停まっている。
天候は、曇ってはいるが何とか一日持ちそうな天気である。
準備を整え、7時40分に歩き始める。
すぐに美濃戸山荘の前から北沢に沿った林道に入り、50分ほど歩いて登山道に入る。
前日までの雨に濡れた木々の緑が瑞々しく感じられる。
北沢は前日の雨で水量が多い。
沢に沿って付けられた木道などが整備された道を徐々に高度を上げていく。
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9:20赤い屋根の赤岳鉱泉に着く。
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しばらく休憩して、樹林の中の硫黄岳への道へと入っていく。
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薄暗いじめじめした樹林帯の道を高度を上げて行き、10:45森林限界を抜けて、赤岩の頭に出る。
一瞬ガスが切れて硫黄岳方面を望むことができる。
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最後の登りで11:15三角点に出て、大きなケルンの建つ硫黄岳山頂に立つ。
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山頂から硫黄岳山荘への道沿いでやっと待望のコマクサが霧の中に我々を迎えてくれる。
霧の水滴がついて瑞々しさがいっそう増して見える。
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ここ八ヶ岳の硫黄岳から横岳にかけての稜線沿いは、日本でも有数なコマクサの群落が見られるところである。
ちょうど珍しいアゲハチョウ?がイワギキョウにとまっている。
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硫黄岳山荘の横で昼食を摂った後、花を愛でながら横岳に向けて登っていく。
横岳までの道の両側にもコマクサの大群落がちょうど今を盛りと咲いている。
これだけ多くの群落は他では見たことがない。
以前見た時よりも花の数も多くなっているようだ。
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途中ガスの切れ間から小同心の岩峰が鋭く聳えているのが見える。
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クサリ場や梯子が続く岩場を注意しながら通過し、12時半過ぎ横岳山頂に立つ。
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赤岳までの途中の道端には夏の花が盛りである。
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ガスの中を赤岳展望荘まで下り、最後の苦しい急登をこなして14:10八ヶ岳の盟主赤岳山頂に立つ。
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赤岳にはここ数年毎年のように来ているが、なかなか晴れて展望がきく天気には恵まれない。
しばらく休憩した後、主稜線を少し下って、キレットへの分岐から阿弥陀岳方面への道に入る。
急な岩場を下って中山との鞍部に下りたころで、またガスが切れ初めて赤岳が姿を見せる。
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南の権現岳や西の阿弥陀岳、そして歩いてきた横岳方面もガスの切れ間から姿を見せる。




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ここから急な文三郎道を下って、15:25行者小屋に下りる。
小屋の前からは横岳の大同心、小同心が霧の中から姿を現すのが望まれる。
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行者小屋からは南沢を下り、17:20やっと駐車場へ戻ってくる。
帰りに温泉で汗を流し、午後10時名古屋へ帰ってくる。


天気が心配された山行であったが、何とか一日降られずに済み、時々はガスも晴れて赤岳をはじめ八ヶ岳南部の山々がその雄姿を垣間見せてくれた。
また、期待したコマクサもちょうど最盛期に当たり、霧の中に可憐に咲く大群落には見応えがあった。
一日で17kmを歩く三山の縦走は少ししんどかったが、心地よい疲れが残った山行であった。
八ヶ岳には名古屋から割合容易に行くことができ、夏山の定番のようになっているが、今度は一度スッキリと晴れた八ヶ岳に行ってみたいものである。

                       山遊人
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