8月5日(金)~7日(日)
山の会の仲間と6人と、恒例になった夏山山行で、後立山連峰の鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳に2泊3日の予定で山行する。
【コースタイム】
8/5 扇沢駐車場(10:50) → 柏原新道登山口(11:05) → ケルン(12:10/12:25) → 種池山荘(15:07)
8/6 種池山荘(6:20) → 爺ヶ岳南峰(7:05/7:10) → 冷池山荘(8:40/9:00) → 布引山(10:10/10/20) → 鹿島槍ヶ岳南峰(11:10/11:30) → 北峰手前 → 鹿島槍ヶ岳(12:30/12:35) → 冷池山荘(14:07)
8/7 冷池山荘(5:30) → 爺ヶ岳(6:57/7:15) → 種池山荘(8:04/8:25) → ケルン(10:10) → 登山口(11:03) → 扇沢駐車場(11:26)
8月5日(金)
午前6時半に集合して、車で中央道を走り、豊科ICから大町を通り、10時半に扇沢駐車場に着く。
夏山最盛期のためか駐車場は超満車で、係員に誘導されて登山口から随分と離れた場所に駐車する。
天気は薄曇りで、稜線のあたりはガスに隠れて見ることができない。
15分ほど車道を歩いて戻り、柏原新道登山口を11:05に出発する。
すぐにモミジ坂と名付けられた急登を登りだす。
登るにつれ樹間越しに扇沢の駐車場が下の方に小さくなる。
1時間少しで大きなケルンの積まれた休憩地に着く。
ここからは道は少し緩やかになり爺ヶ岳の山腹を巻くように徐々に高度を上げていく。
石畳の敷かれた道や水平道と書かれた平坦な道などよく整備された道を行く。
このような歩きやすい整備された道を一人で切り開かれた種池小屋のご主人の柏原さんの努力には敬意を表する。
この道が出来たおかげで鹿島槍ヶ岳にどのくらい登りやすくなったかはかり知れない。
3時間半ほどでガラ場という崩壊地を抜け、最後の急坂を登ると、赤い三角屋根の種池山荘がうっすらとガスの中に姿を現す。
4時間ほどの登りで、15:07やっと種池山荘に着く。
予想通り山荘は大変混んでおり、我々の部屋は8畳に12名が寝ることになる。
少し休んだ後夕食を摂り、午後8時過ぎには早々に就寝に着く。
夜中に起きてみると、少し星が出ており、明日の晴天が期待される。
8月6日(土)
午前4時半ごろ起床をして、外に出てみるとガスは下がっており、周囲の山々が日の出を前にピンク色に染まりだす。
すぐ北には今日登る爺ヶ岳から鹿島槍方面がシルエットで浮かんでいる。
東には遠く富士山も雲の上に少し頭を覗かせている。
西には立山連峰が朝日を浴びて徐々に茜色に染まってくる。
小屋の前で朝のすがすがしい空気をいっぱいに吸い、今日の山行に備える。
午前6時前から朝食を食べ、6:20準備を済ませて山荘を出発する。
雲海の上に浮かぶ富士山を見ながらお花畑の広がる道を爺ヶ岳に向けて登っていく。
山荘のあたりは、チングルマやミヤマキンポウゲなどのお花畑が一面に広がって素晴らしい。
7時を過ぎるころから早くもガスが出始める。
ガスの中にライチョウが姿を現し、やはり今日はあまり晴天が続かないようである。
爺ヶ岳への途中で鹿島槍の中腹に大きな雲がかかり始める。
緩やかな斜面を登り、7時過ぎ爺ヶ岳南峰に出る。
ガスが出始め展望があまりきかない。
更に20分ほど歩いて爺ヶ岳最高点の三角点の建つ中峰に立つ。
北峰は巻いて通り、眼下に見える冷池山荘を目指す。
赤岩尾根の分岐する冷乗越を過ぎ、最低鞍部から少し登り、8:40樹林帯の中に立つ冷池山荘に着く。
宿泊手続きを済ませ、山荘に余分な荷物を預かってもらって、軽装で鹿島槍ヶ岳を目指す。
少し上のテント場を過ぎたあたりは、一面のお花畑である。
布引山を越し、鹿島槍へ登りだす頃より雨が少し強く降り出したのでカッパを着る。
岩屑のジグザグの急坂道を登って、11:10雨とガスで何も見えない鹿島槍南峰に着く。
昼食を食べて休憩をした後、空身で鹿島槍北峰へ行くことにする。
雨で濡れた岩場の道を細心の注意で下り、少し上り返して北峰まで後10分ほどの所で大きく雷鳴がとどろく。
これ以上行くことは危険であると判断し、残念ながらそこから引き返す。
(後でニュースで知ったが、北峰の少しキレット寄りの岩場で1日前に滑落事故があり、一人亡くなったらしい)
12:30南峰に引き返し、早々に小屋に向けて下山する。
1時間半ほど歩いて14時過ぎ冷池山荘に帰ってくる。
雨が降り続き、雨に濡れた登山者が夕食過ぎまで続々と入ってくる。
今日も8畳の部屋に12人とすし詰め状態である。
相部屋となった5人のパーティと夕食まで語らいながら時間を過ごす。
ここの山荘は割合新しいのでトイレなどが清潔である。
夕食の時に見たパジャマを着た二人連れの男性や、街ではくようなスカートを着た女性など山のファッションの変化に我々一同皆唖然とさせられる。
今日も疲れがたまり、8時過ぎには皆就寝につく。
8月7日(日)
今日は下山の日である。
朝4時ごろから目が覚め、薄明るくなりかけた外に出てみると、日の出は見れなかったが、目の前には鹿島槍が双耳峰の端正な姿を見せている。
幾重にも重なった雲海の波が墨絵で描いた絵のようである。
5時に朝食を済ませ、5:30朝日のさす山荘を後にする。
冷乗越を過ぎるころには西に立山連峰や剱岳が朝日を受けてくっきりと見える。
後を振り返ると小屋の後ろに昨日登った鹿島槍もよく見える。
ひと登りをして再び爺ヶ岳中峰に着くころには早くもガスがかかり始める。
ガスの切れ目から槍ヶ岳や穂高岳も見ることができる。
正面の立山連峰やお花などを楽しみながら爺ヶ岳南斜面を下る。
昨日泊まった種池山荘に8時過ぎに着く。
のんびりとコーヒーを味わいながら最後の稜線からの景色を堪能する。
目の前には先日行った針ノ木岳が針ノ木雪渓を落として高くそびえている。
ゆっくりと休んで、1日目に登ってきた柏原新道を下り始める。
行きに通ったガラ場の斜面を通り、登山口まで1100mを下る。
日曜日のため多くの登って来る登山者とすれ違いながら、11時過ぎ登山口に着く。
駐車場まで戻り、大町の日帰り温泉で3日間の汗を流し、午後5時半に無事名古屋に帰り着く。
【出会った花たち】
依然としてはっきりしない天候の中での夏山山行であった。
3日間とも午前中の早い時間帯は晴れて、展望がよくきいたが、午前中の早いうちにはガスが上がり始めてしまう。
やはり今年の夏山の天気はまだまだ安定しない。
今回も2日目の鹿島槍では雨にもたたられやや残念な山行であった。
しかし、時々ガスが晴れてかいま見せてくれる鹿島槍の雄姿や周辺の山々の姿に夏山を堪能できた山行であった。
山遊人