4月15日(金) ~16日(土)
所属する会の研修で、北アルプス西穂高岳へ山行する。
1泊2日の日程で、西穂山荘に素泊まりし、西穂高岳まで行く予定である。
4月15日(金)
参加者11名で、2台の車に分乗して名古屋を7時に出発する。
低気圧の通過で当日は雨、2日目は晴れを期待しての山行である。
東海北陸道を走り、高山ICから、平湯温泉を通り、10:20新穂高ロープウェー下の鍋平園地の駐車場に車を止める。
天候は、曇ってはいるが視界はあり、正面に特徴的な錫杖岳の岸壁や笠ヶ岳が連なって見える。
この錫杖岳の岸壁には、今回の山行ののリーダーが、若い時に初登攀をしたフェースがあるということである。
準備をし、少し歩いて、11:30のロープウェーに乗る。
山頂駅からは目指す西穂高岳や焼岳も顔を覗かせている。
12:00に駅舎を出て、除雪されてよくしまった登山道を登りだす。
小ピークをいくつか越し、最後に急斜面をトラバース気味に登り、13:15西穂山荘に到着する。
平日のため山荘には女性の先客が一人いるだけで、我々だけで貸し切り状態である。
しばらく休憩をして、午後4時頃から夕食の準備にかかる。
本日のメインディッシュはすき焼きである。
肉もたっぷりと担ぎあげてきたので、豪華な夕食になりそうである。
名シェフの念の入った味付けで、いいにおいが一面に漂い、皆待ちきれない様子である。
17:00準備ができ、全員で食卓を囲んで夕食をしながら、山談議に花が咲く。
食べきれないほどの肉に、余りは翌朝の朝食にとっておく。
夕方頃から外は粉雪が舞い出す。
明日の登頂を控えて、皆7時過ぎには布団の中に潜り込み、早々に就寝する。
4月16日(土)
朝4時に起床し外を覗くと、相変わらず粉雪が舞っており、一晩のうちに50㎝ほど新雪が積もっている。
5:00に朝食を食べたのち、アイゼンやハーネスを着け、必要なものだけをザックに詰め、準備を整えて6:00山荘を出発する。
山荘前の斜面を登り、広い尾根に出ると新雪でトレースがなく、道を探しながらのラッセルが続く。
丸山を過ぎて7時ごろにはガスが晴れてくる。
行く手には独標から西穂へいたる稜線が朝日に輝いている。
7:40独標下に到着し、ここからザイルで確保しての登りとなる。
人数が多いため、ここで時間を費やし、8:20やっと全員が独標に立つ。
一点の雲もない山頂からの眺望は素晴らしく、正面にはいくつかのピーク越しに西穂高岳、奥穂高岳がどっしりと連なり、吊尾根尾をたわませて前穂高岳まで一望である。
西には笠ヶ岳が両翼に大きく稜線を広げている。
振り返れば、南に真っ白な乗鞍岳の雄姿が雲の上に浮かんでいる。
山頂で全員で記念写真を撮る。
我々の体力の不十分さと新雪のため、予定より大幅に時間を費やし、リーダーの判断で西穂高岳への登頂は断念する。
20分ほど眺望を楽しんだ後、下山にかかる。
その頃より、またガスが視界を隠し、まるで我々が山頂にいるときだけ穂高が顔を覗かせてくれたようである。
8:40に出発し、独標の下りでも凍った雪の上に新雪がついて、滑りやすい斜面を注意して下る。
強風で登ってきたトレースが消えかけた稜線を下り、9:55西穂山荘に帰ってくる。
片付けをして、10:38山荘を後に下山にかかる。
下りの道では、土曜日のため続々と登山者が登ってくる。
1時間ほどかかり、11:30ロープウェー山頂駅に着く。
11:45のロープウェーで下に降り、駐車場へもどる。
12:15に車に乗り、途中温泉で2日間の汗を流し、昼食をして、午後5時名古屋へ帰る。
今回の研修山行は、初めての早春の北アルプス穂高山行ということで、行く前から期待しての参加であった。
しかし、2日目の西穂への登頂では、自分自身の力不足のため、独標までがせいぜいであった。
春の北アルプス程度を自由に歩けるようになるようもう少し訓練を積んで力をつけるよう努力が必要である。
今回の研修ではいろいろと得るところが多く、又機会があればこのような研修に参加をしたいものである。
この場を借りて、我々を指導していただいたリーダーに感謝を申し上げたい。
山遊人