3月14日(日)
3月も半ばに入り、春の訪れが感じられ始めた今日この頃である。
移動性高気圧の中心に入った春めいた絶好の山行日和の一日、早春の山の息吹を求めて、いつもの山仲間と奥三河の山々を巡る山行をする。
今日の行程は、4山を縦走するアップダウンの多い、変化に富んだコースである。
朝6時半に名古屋を出て、東名を走り、豊川ICから新城を経て、設楽町の和市の登山口駐車場に8時過ぎに着く。
国道473号線脇に20台ほど停めることができる駐車場がある。
準備を整えて8時半過ぎ、東海自然歩道になっている登山口から、まずは鹿島山を目指して歩き始める。
杉林の中の緩やかな道を、途中水場を過ぎ、30分ほどで鳥居の立つ池葉守護神社に着く。
ここの境内には周囲8メートルの大杉の御神木がある。
林道脇から登山道に入り、150mほど急な山腹を登ると鹿島山の山頂である。
ここの山頂は展望は全くきかない。
山頂から道は東に折れ、尾根上を徐々に高度を上げて行く。
30分ほどで平山明神山への分岐点に着き、5分ほど北へ行けば、今日の最高点である大鈴山山頂である。
ここの山頂からの眺めは素晴らしく、東に南アルプス南部の山々が雪をいただき、西には遠く真っ白な白山連峰を望むことができる。
分岐点まで戻り、「初心者危険」と書かれた道標の立つ道を平山明神山へ向けて進む。
平山明神山までは、危険なところはないが、やや踏み跡が不明瞭なところがある。
道は南にグミンダ峠という最低鞍部まで大下りをし、明神山への分岐点まで登り返す。
平山明神山へは途中切り立った岩塊の道を通り、20分ほど登り、西の覗きと山頂の分岐に出る。
右手に少し登り展望のきかない山頂に立つ。
戻って西の覗きに行き、ここの岩塊の上で昼食を摂る。
足元がスパッと切り立った岩の上はスリル満点である。
ここからの南アルプスの眺めも素晴らしい。
ゆっくりと休憩をして、東の覗きにも立ち寄り、昼過ぎに岩古谷山に向けて出発する。
分岐に戻り、少し下って小さなピークに登るところで、山腹を巻いていた道がなくなり、何度も探すも見つからない。 1時間以上もロスをして、やっと道を見つけ、2,3のピークを越して、下ると堤石峠に出る。
ここから岩古谷山へは急な岸壁に付けられたほとんど垂直に近い鉄橋梯子や階段状の道を20分ほど登り、午後3時過ぎ山頂に到着する。
ここの山頂も切れ立った岸壁上にあり、手すりがつけられ、眼下には和市の部落がよく見える。
南には鞍掛山へと稜線が続いている。
眺望を堪能し、急な鎖場を通り、コンクリー製の階段が続く道を30分ほど下り、堤石トンネルの脇に出る。
10分ほど国道を下って、駐車をした登山口に午後4時に帰り着く。
近くには紅梅の大木が夕日を浴びて輝いていた。
今日の山行は、1000m前後の山々を4山踏破するという少しハードなものであったが、ほとんど行きかう人もなく、奥三河の静かな山旅を堪能することができた。
ただ、途中で踏み跡がやや不明瞭なところがあり、完全に道迷いをしてしまい、1時間以上もウロウロとして少し焦った場面もありいい経験であった。
平山明神山や岩古谷山は、険しい岩塊の山であり、標高の割にはスリルのある変化に富んだ山旅ができた。
山遊人