2月13日(土)
立春を過ぎたが、もうしばらくは寒さが続きそうである。
しかし、昼間の穏やかな日には、光の春を感じる今日この頃である。
山仲間と早春の湖南地方の山行に出かける。
琵琶湖南東の栗東町にある金勝(こんぜ)アルプス(湖南アルプス)は、5、6百メートルと標高は低いが、風化した花崗岩の奇岩が多く、地元では人気のある里山である。
冬型気圧配置がゆるみ、晴天の予報である。
朝6時に出発し、新名神を走り草津田上ICを出て、8時前に桐生のキャンプ場駐車場に到着する。
ここはきれいなトイレも整備されており、大きな駐車場である。
8時過ぎに出発し、落ヶ滝への林道を進み、しばらくで登山道に入る。
シダが多く、水の豊富な谷を何回か渡り返し、40分ほど登ると落ヶ滝に着く。
大きな一枚岩の花崗岩の割れ目から流れ落ちる立派な滝である。
登山道へ戻り、しばらく登ると縦走路に飛び出す。
ここから左へ折れ、尾根道を20分ほど急登すると鶏冠山(とさかやま)山頂に飛び出す。
樹木に遮られてあまり、展望はよくない。
わずかに、眼下に栗東の競馬トレーニングセンターが見える程度である。
鶏冠山を下って分岐まで戻り、竜王山を目指して縦走路を南下する。
途中、三上山(近江富士)の眺めがよい。
縦走路は花崗岩の間を縫って南下する。
20分ほどで花崗岩の奇岩が積み重なる天狗岩が近づいてくる。
そばから見ると大きな岩が重なり合って登り甲斐がありそうである。
直下に荷物を置いて、ロープや鎖が付けられた岩の間の狭い道を登ると天狗岩の山頂に出る。
山頂からは琵琶湖方面の眺めがよく、大津の街を隔てて比良方面の山が霞んでいる。
この頃より、雲が出て気温が下がり寒く、アラレまで降リ始め急激な天候の変化である。
途中では何箇所か展望のいいところがある。
1時間ほど歩き、白石峰の竜王山への分岐点に着く。
白石峰から西へ15分ほどで祠のある山頂に到着である。
ちょうどこの頃より天気も回復して、晴れ間も出てくる。
竜王山山頂からは、琵琶湖方面の眺望が素晴らしい。
誰もいない狭い山頂でゆっくりと昼食を摂り、12時過ぎ下山にかかる。
重ね岩のあたりで稜線上からの最後の眺望を楽しみ、谷道に下りる。
谷道をしばらく歩き、有名な狛坂磨崖仏のある狛坂寺後に着く。
この磨崖仏は奈良時代の作と言われており、想像以上に大きなものであり、見応えがある。
30分ほど谷道を下り、林道出会に出て、新名神をくぐり、明治時代デレーケが作ったというオランダ堰堤を見ながら、午後2時前、駐車場へ戻ってくる。
金勝アルプスは、以前から一度登ってみたいと思っていたが、今回やっと登ることができた。
里山と言っていいほどの山ではあるが、奇岩や近江平野、琵琶湖の眺望など変化に富んだ魅力のある山であった。
里山として雑木林が手つかずで残され、途中の登山道もよく整備されており、大切に残しておきたい山である。
また雑木林の中を、春の新緑や秋の紅葉の頃に歩いてみたいものである。
山遊人