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秋晴れの錫杖ヶ岳
2009/09/26(Sat)

9月26日(土)
                                                錫杖 

5連休だった今年のシルバーウィークも過ぎた秋晴れの一日、三重県の布引山系北端の錫杖ヶ岳へ所属する山の会の同期会仲間8人で山行する。
錫杖ヶ岳は、山名から想像されるとおりピラミダルな山容で、山頂近くは鎖場などが多く、標高のわりには登り甲斐のある山だと聞いており、以前から気にかけていた山である。
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コースタイム
JR関西線加太駅9:48 → 10:18登山口10:25 → 10:50柚之木峠11:00 → 12:00錫杖ヶ岳12:50  → 13:00柚之木峠 → 14:20登山口 → 15:00加太駅


朝7時20分に名古屋駅へ集合し、JR関西線に乗り、亀山駅で乗り換えて加太駅まで行く。
9時21分我々のほかは誰も下車しない鄙びた駅舎の加太駅に到着する。DSCF1410.jpg 

駅前の広場で準備運動をして、9時48分に出発する。
真っ赤な彼岸花の咲く道を加太川を渡り南に向けて歩きだす。
前方には錫杖ヶ岳が特徴的な山頂を見せ聳えている。DSCF1412.jpg 

名阪国道の向井インター下をくぐり、左手の林道へと入る。
檜林の林道を緩やかに登っていくと、30分ほどで駐車場もある錫杖ヶ岳登山口に着く。
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ここから左の登山道へ入り、谷に沿った薄暗い道をゆるやかに登っていく。
30分ほどの登りでベンチの設置された390mの柚之木峠へ到着する。
峠からは南へ展望が開け、経ヶ峰方面の山々が見渡せる。
この峠は、林道が開通する以前は加太と南の河内とを結ぶ生活道路として使用されていたそうである。
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登山道は、峠から直角に左へ折れ、いよいよ錫杖ヶ岳へ向けての登りにかかる。
両側が切れ立った尾根上の道を、途中ベンチや展望台を通過しながら高度を上げていき、9合目からは鎖やロープの設置された急峻な岩場が続く。
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注意をして岩場を通過し、錫杖湖からの道を合わせ、12:00花崗岩の重なる狭い山頂(676m)に到着する。
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山頂には4,5人の登山者が憩っている。
ややかすんではいるが、山頂からの眺望は抜群であり、北には鈴鹿山脈や亀山の街、南東には青山高原を中心とした布引山系、南には錫杖湖、東には伊勢湾も微かに見渡せる。
このあたりに詳しい地元のおじさんが、山頂から見える山の名前や植物のことなどをいろいろと教えてくれる。
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山頂は狭いので、すぐ下のあずま屋へ移動し、ここでゆっくりと昼食を摂る。
はじめの予定では、ここから三角点を経て稜線を縦走し、関の駅へ降りる予定であったが、道があまりよくないので、そのまま登って来た道を下ることにする。
12:50下山にかかり、岩場の下山に思ったより時間を費やすも、15:00全員無事で加太駅に到着する。
途中亀山駅で下車して、福祉センター白鳥の湯で汗を流し、午後6時前名古屋へ帰着する。
錫杖ヶ岳は、以前から一度登ってみたいと思っていた山であったが、今回の山行で、標高のわりには岩場などもあり、山頂からの展望もよく、変化に富んだいい山であることを実感した。

                              山遊人

 

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沢登りの楽しみ:恵那山塊鯉子山
2009/09/13(Sun)

9月13日(日)
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3日前の中央アルプス山行の疲れがまだ抜けきらず、膝の痛みが残っていたが、所属する山の会の技術研修山行で、沢歩き技術習得のため岐阜県の恵那山塊の鯉子山へ行く。
本来12日(土)の予定であったが、雨のため一日延びて本日の実施となった。
以前から沢歩きは一度体験してみたいと思っていたが、やっと念願がかない楽しみである。
地図に道のないところをどうやって行くのか、その技術を身につけたいものである。

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コースタイム
一ノ沢付近駐車場(9:00) → 中津川本流入渓(9:30) → 闇がり谷出会(11:40/11:50)  → 黒井沢駐車場(12:25) → 堰堤入渓(12:40) → 上唐沢出会(12:00/12:30) → (支沢遡行) → 1500m付近(14:40) → (ブッシュ下降) 
→ 本流出会(17:00) → 黒井沢駐車場(17:50)


13名の参加で、7時に上小田井駅前からバスで中央道を走り中津川ICを出て、中津川本流に沿って林道を走る。
9時に一ノ沢出会いの駐車場で降り、沢靴に履き替え、準備運動をして中津川本流に入渓する。
昨日の雨で水かさは多いように思われる。
スリングで簡易ハーネスを作り、カラビナをかけて万一のための装備をして出発である。
最初に、リーダーから沢の歩き方、ルートの取り方等の指導を受ける。
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右岸、左岸と何度も徒渉を繰り返しながら上流をめざす。
水はおもったほど冷たくない。
水深は深いところで膝上あたりである。
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最初は川幅も広く明るい沢であったが、徐々に両岸が迫り川幅が狭まったところへさしかかる。
このあたりは流れも速く、水かさも多いのでザイルを渡し、それにつかまって反対岸に渡る場所も現れる。
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闇がり沢出会いで一旦林道に出て、黒井沢出会い先でまた入渓する。
このあたりからは河原も広がり、右手の鯉子山へ入っているどの沢を登るか探しながら、上流へ向かう。
地図で判断して、上唐沢出会い対岸の鯉子山山頂近くへ突き上げている支沢へ入る。
狭い沢でイバラなどが進路を塞ぎ、鋸や釜で払いながら徐々に高度を上げていく。
上流部は滑滝状になったところを滑らないように注意して進む。
このあたりは浮き石が多く、落石を起こさないように細心の注意が必要である。
ここまでに予想以上に時間がかかり、午後3時近くなっても山頂には辿りつけそうにない。
山頂から高度であと7,80mのところで、時間的に登頂は無理と判断し下山にかかる。
沢から横の尾根を下ることになり、背丈を越すササと灌木の茂る中をルートを探しながらの下山である。
トップを行くリーダーやサブリーダーは大変そうである。
ササを踏んで何度も尻もちをつきながら必死に皆について行く。
地図を何度も確認しながら下山し、登りにとった沢の途中に降りることができる。
午後5時やっと本流との出会いに出て、午後6時前バスが待っている黒井沢出会い駐車場に帰ってくる。
帰りに恵那の簡保の湯で汗を流し、午後9時半上小田井へ帰着する。

この山行のために道具を揃え、楽しみにしていた沢歩きであった。
沢靴を履くと川の中でもあまり滑らず効果が高く、さすが道具だと思った。
歩き方は何とかわかったが、地図を読んでのルートファインディングができない。
分岐に来たとき、どの沢をとればいいのかを判断するのは難しい。
帰りの藪こぎできちっと登って来た沢に戻ることができたのはさすがだと感心した。
何度も経験を積み、概念図を把握し、地図読みの力をつける必要があることを痛感した山行であった。

                            山遊人  
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好天に恵まれた初秋の中央アルプス4山縦走
2009/09/10(Thu)

9月9日(水)~10日(木)

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9月に入り秋めく日も多くなり、朝晩はめっきり涼しくなってなってきた。
所属する山の会の月例山行で、避難小屋を使用した中央アルプス北部の檜尾岳から空木岳までの1泊2日の山行に参加する。
マイクロバスを使用したリーダーを含み13人の参加での山行である。
秋の移動性高気圧に覆われて、天候は良くなりそうな予想である。

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コースタイム
9月9日(水)
千畳敷10:48 → 11:23極楽平11:35 → 12:39濁沢大峰12:45 → 15:50檜尾岳 → 16:05檜尾避難小屋

9月10日(木)
避難小屋5:18 → 5:35檜尾岳 → 7:25熊沢岳 → 9:25東川岳 → 9:55木曽殿越10:00 → 11:45空木岳12:00 → 駒峰ヒュッテ → 駒石 → 小地獄 → 大地獄 → 15:40池山小屋 → 17:45駒ヶ根スキー場


9月9日(水) 千畳敷~檜尾避難小屋

朝7時30分高蔵寺駅からマイクロバスに乗り、中央道を走り、9時半に木曽駒高原のバス停に到着する。
バスとロープウェーを乗りついて、10時30分一気に2600mの千畳敷に到着である。
下の方ではガスが出て視界がきかなかったが、千畳敷まで上がるとガスは途切れ、カールや宝剣岳が良く見渡せる。
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避難小屋泊まりであり、稜線上は水が少ないということで、荷物が10㎏を超え、皆が重たそうである。
入念に準備運動をして、10:48に出発する。
30分ほどの登りで稜線上の極楽平に出る。
前には島田娘(2858m)、右手には三沢岳(2847m)が聳えている。
稜線上はやや風が強く、時々ガスがかかったりするが、まあまあの天気の中檜尾岳に向けて尾根道を辿る。

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島田娘を過ぎ、濁沢大峰を越えて、一旦下ると行手に檜尾岳(2728m)が見えてくる。
山頂から左に少し下がったところに檜尾避難小屋が小さく見える。
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鞍部から登り返すと、檜尾岳の山頂である。
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山頂はややガスがかかり、空木岳方面は見ることができない。
左手足元の檜尾尾根上には、今日の宿泊地である檜尾岳避難小屋のかまぼこ型の赤い屋根をハイマツの中に見下ろすことができる。
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午後4時ごろ避難小屋に到着する。
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小屋にはすでに2人の先客がおり、我々13人が入るとほぼ満杯の状態である。
小屋前でさっそく夕食の準備に取りかかる頃からガスが切れだし、夕日もさし始める。
目の前には谷を隔てて、空木岳の雄姿が姿を現わす。
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東には伊奈谷を隔てて南アルプスがよく見えるようになり、塩見岳の肩越しに富士山が頭を覗かせている。
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暮れなずむ周りの展望を楽しみながら夕食を摂ったり、喉を潤したりして日没まで憩いのひとときを過ごす。
日没間近、沈む夕日を見に行こうと稜線まで上がってみる。
ちょうど三沢岳や御岳をシルエットに西の空の雲海のかなたに真っ赤に染まる夕日が静かに沈み、今日一日の終わりである。
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小屋の中は御座も敷かれており、寝袋やマットも少し備えてあり、避難小屋としては快適である。
わりと清潔なトイレも外に設置されている。
8時頃まで皆で山談議などで歓談したあと、就寝に就く。
夜中にトイレに起きると、空には一点の雲もなく、眼下の伊那谷の街の明かりがとてもきれいである。
トイレの前の手洗い水場には氷が張っており、山の上はすでに氷点下である。
月が明るくて★は多くは見えなかったが、明日の晴天は約束される。
9月9日(木) 檜尾岳~熊沢岳~東川岳~空木岳~駒ヶ根スキー場

朝3時半に起き、小屋の中で朝食を食べ、5時18分に出発する。
夜はまだ完全には明けきらず、薄明りの中を檜尾岳に登る。
しばらく待っていると東の空が白み始め、宿泊した避難小屋をシルエットにして、黄金色の太陽が南アルプス鋸岳の肩越しに顔をのぞかせる。
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予想通り今日は一点の雲もない晴天で、どちらを向いても山々がくっきりとそびえている。
眼下には伊那谷が朝の光に霞み、今日は南アルプス越しの富士山もハッキリと見える。
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本日は熊沢岳、東川岳を越えて、空木岳を目指し、そこから一気に木曽駒高原まで2000m近くを下るという長丁場である。
気合いを入れ、行手の熊沢岳を目指して歩き始める。
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アップダウンを繰り返し、熊沢岳を過ぎ、東川岳までほぼ4時間かかって到着する。
眼前には空木岳が大迫力で迫ってくる。

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東川岳からは木曽殿越に向けて大下りである。
下る途中下に木曽殿山荘の小屋を見下ろすことができる。
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10:00小屋で水を補充し、いよいよ空木岳まで400mのこのコース最大の登りにかかる。
上に行くにつれ花崗岩帯の登りで、ハシゴや鎖場が多くなり、そこを越すのに時間を要する。
最後の登りで10:45やっと山頂に到着する。
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山頂では素晴らしい展望が待っている。
南には南駒ヶ岳聳え、西には御岳も大きなすそ野を引いて浮かんでいる。
北には昨日から辿ってきた木曽駒ケ岳からの稜線が続いている。
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眼下にはこれから辿る池山尾根上の駒峰ヒュッテから駒石を見下ろすことができる。
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しばらく展望を楽しんだ後、12:00下山にかかる。
ここからは5時間以上はかかる2000m近い池山尾根の下りが待っている。
尾根を少し下り駒峰ヒュッテを通り、大きな花崗岩の駒石を通る。
駒石越しに北に宝剣岳方面が望まれる。
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空木平からの道と合流し、ハイマツ帯からダケカンバの樹林帯に入る。
途中小地獄、大地獄という痩せ尾根帯を注意して通過し、ひたすら池山小屋に向けて下る。
15:40やっと池山小屋の水場に到着し、のどをうるおすことが出来る。
本来ならここから1時間ほどの林道終点の駐車場でバスが待っているはずであった。
しかし、林道途中が崩壊の危険のため通行止めになっており、更に1時間半かけて木曽駒高原スキー場まで下る。
薄暗くなりかけた17:45に、6時間近くかけてやっとバスが待っているスキー場に到着である。
膝や足がガクガクになったが、一人の落後者もなく全員よく頑張り無事下山することができる。
近くのこまくさの湯で汗を流し、中央道を走り、午後9時半高蔵寺駅に到着する。
中央アルプスの木曽駒ヶ岳から空木岳への縦走は、アップダウンが多く面白いのであるが、途中宿泊するところが少ないので、最近は行っていなかった。
今回避難小屋を利用した縦走ということで面白そうだったので参加した。
幸いにも2日間とも天候に恵まれ、とても楽しい山行ができた。
1日目の避難小屋生活の体験や、2日目の稜線歩きも含めて12時間以上にも及ぶ行程、また、1日に2000m近くも下るという山行は、この年になって出来るか少し心配であったが、何とかパーティーと一緒に行動することができ大きな自信になった。
また、リーダーやアドバイザーからいろいろ教わることも多く、大変勉強になる山行であった。
これからも特に中央アルプスや南アルプスの山行には避難小屋を利用するということも考えて計画を立ててみたい。
                         山遊人

 

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